バルブユニットをアップデート
この記事
の、バルブユニットを少しアップデートしました。
実際に運用してみて、1週間~1ヶ月程度でサイフォンがガスロックしてしまう問題が発覚しました。しかしサイフォン管の気密が悪いわけではありません。
どうやらこの現象は、朝に日の出とともにソーラーポンプが起動すると、全長200m弱の管路内に溜まった気泡(バクテリアの呼吸によって発生する?)が押し上げられ、それがサイフォン管に少しずつ溜まることで起こるようです。
手動のポンプで一々サイフォンのガス抜きをしてやるのは面倒です。
楽したいです(重要)。
というわけで、気泡が溜まりにくくするとともに、自動でガス抜きする仕組みを作りました。
ポンプ側に繋がっている配管から分岐してオーバーフロー管に接続していましたが、この分岐チーズを上に向け、垂直なオーバーフロー管に直結してガストラップとし、このガストラップを必ず通るように経路を変更しました。
これにより、ポンプによって押し上げられた気泡の大部分はここで取り除かれます。しかし、ガストラップを通り抜けてきた少しの気泡は相変わらずサイフォン管に溜まって行きます。
そこで、サイフォン管の頂上部の手動ガス抜きポンプのコックの所から分岐し、内径6mmの細いホースを標高差約8m下まで引き伸ばします。このホースを水で満たしてサイフォンにすれば、小さな気泡程度なら勝手にこのホースから吸い出されて排出されます。
しかしこれだけでは足りません。管路内の段差に溜まった気泡が大きくなってから上がってきます。この大きな気泡が一気にたまると、吸い出し用の細いホース自体もガスロックしてしまいます。
というわけで、ガス吸い出しホースの出口に、3Dプリンティングで作ったアスピレータを取り付け、常に真空引きするようにしました。
3Dモデルはこんな感じ。適当に設計した割には結構強力に真空発生します。
カットモデルはこんな感じ。
これを2段目の田んぼの脇の分岐バルブから水を取って駆動します。この駆動用の水は、昼は下の池からソーラーポンプで押し上げ、夜は上の池からサイフォンで落としてきた水です。つまり自力で勝手にサイフォンの起動ができます。
このアスピレータの消費水量は2L/min以下です。サイフォンの真空引きならこの程度の容量で十分です。
アスピレータの排水は勿体無いので田んぼに入れときます。
こんな感じでしばらく運用していますが、今のところ調子良いです。アスピレータのおかげで気泡は即座に排出され、サイフォン管の陰圧は常に保たれてガスロックは起こりません。