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#023 人が意見に反対することはよくあるが、実際にはその口調が気に入らないのである

エピソード

や、まさか、YA-MOやーも、の話をするとは思わんかったなー、こんなに。
YA-MOやーもと出会った時は。

今日は、ドイツの哲学者のニーチェさんの名言を紹介します。
ニーチェさんは名言の宝庫ですね。沢山の名言を残されています。
今回紹介するのは「人が意見に反対することはよくあるが、実際にはその口調が気に入らないのである」です。

これどう思いますか?

  • そうそう、内容をちゃんと理解していないのに、言い方が悪いって直ぐ文句言って来るやついるよなーとか。

  • 言い方がムカつくやついるけど、そいつの言い方じゃなくて言ってることの方をちゃんと捉えないといけなないよねーとか。

  • 人にモノを伝える時って、やっぱり言い方が大事だよなーとか。

どれがまず思い浮かびましたか?

この言葉は、3つのどれもが当てはまっているんです。
「人が意見に反対することは」となってますが、この「人」は自分自身も含めた人間の事なんですねー
だからみんな、話の内容をちゃんと聴いてもらえずに、言い方や本質でない部分が取り上げられて話がちっとも進まないというような経験もあると思いますし、あいつムカつくから、話を聴きたくねーな、でもちゃんと話を聴かなきゃなって事もあると思いますし、ちゃんと話を聴いてもらうために、言い方や態度を気をつけて話をするって経験もあると思います。

ニーチェさんは、自分を含めた人間は誰でも、本質でない部分が原因で、他人の意見に反対しがちだっていう傾向を言葉にしたんですね。
なんで、どうしたら良いかまでは言ってません。
そういう人たちの傾向にムカつく事もできるし、自分がなるべくそうならないように、聞き手になる時気をつける事も、そういう傾向を受け入れて自分が話し手になる時に気をつける事もできます。

私はしょっちゅうムカつく事があるので、自分が聞き手になる時は気をつけようって思うんですが、結局ムカつきが抑えられずに、相手をおんなじぐらいムカつかせてしまいがちですね。
なんで自分だけが一方的にムカつくのを我慢しないといけないんだ!って思っちゃいますね。良くないですね。

私、学生の頃このテーマの実験をしてたんですよ。
実験っていっても、私は理系学生だったんで、授業や研究でやってたんじゃなくて、趣味でやってたんですけどね。
私、大学生の頃、文芸部ってサークルに入っていたんですね。
文芸って「文化」の「文」に「芸術」の「芸」ですね。「文藝春秋」の文芸ですね。最近の学生事情は分かりませんが、当時の文芸部って、一般的には漫画研究部やアニメ研究部とほぼ同じだったんですね。

ただ、うち学校のサークルは「文芸」とは「文学」と「芸術」だという事で、小説や詩歌の創作と現代的なアートをするサークルだったんですね。
とはいえ部員のほとんどは、漫画大好き、アニメ大好きみたいな感じで、掛け持ちしてる子も多かったんですね。
でも、だいたいの子は、自分の他の趣味とは一定の距離を置いて部の活動をしてました。

その文芸部の活動の一つに、自分たちの作品の感想を言い合うという「批評会」というのがありました、その批評会の時に、どんな意見を言ってもマイナスな意見だと、絶対にガンとして受け入れない子がいたんですね。
ペンネームで「YA-MOやーも」君っていう子でした。
偏差値が低い大学だったんで仕方がないんですがYA-MOやーも君は、典型的な勉強のできない、モノもあまりしらない子でした。
性格は親分肌で面倒見が良いようなとこもあって、悪い子ではなかったんですが、モノを知らない。
そんなことはコミュニケーションとると直ぐにバレてるんですが、バレてる事もあんまり分かっていないみたいな子でした。

「批評会」が終わったあと、よく「なんでYA-MOやーも君は、言われた事をいちいち否定して全く認めないんだろうか?」って話になるんですね。
そんな中で一人の部員が、YA-MOやーも君は、話してる言葉の意味が理解できていないので、雰囲気で反応してるだけだよって言うんです。

言葉の意味で褒められているとか、批判されてるとか判断してなくて、言葉の雰囲気で判断してるんだよって言うんですよー。
で、批判されたと感じたら絶対に受け入れない。褒められたと感じたら受け入れるそういう反応をしてるだけって説明するんですよー

そんな話、ちょっとにわかに信じられないじゃないですかー

で、批評会で実験する事にしたんです。
褒めてるような口調で批判して、攻めているような口調褒める、例えばこんな感じです。

やーも君は今回の小説もすごいな!どこかのエロゲーをモチーフにしたような、リアリティのない酷い話だったよねー

とか

おい!主人公がヒロインに告白するところは、いつもよりもちょっと主人公の心情が感じられたぞ!

みたいな感じにするんです。
そしたらやーも君、ちょっと困りながら批判には

いや、エロゲーなんて照れるなー

みたいな事をいって頭を書きながらはにかむんですよー
で褒めたところは

主人公の心情なんてどうでもいいんすよー!僕が表現したいのはそんなことじゃないんですよー

って、息巻くんですよね。
私、この反応にすごくびっくりしたんですけど、何度か試してもだいたい同じような反応なんですね。
あとで分かったことなんですが、YA-MOやーも君は批評会の時だけでなくて、基本的にずっとこの反応だったんですよ。
なんで、YA-MOやーも君に言うことを聞いてほしい時は、優しく褒めるような口調で言うってYA-MOやーも君ハックが生まれてしまいました。

YA-MOやーも君は、このニーチェさんの名言を地でやってたので、ほぼほぼニーチェだったといっても過言ではないですね。

まーでも、YA-MOやーも君のケースは分かりやすくて、やり方でちゃんと批判も受け入れてくれるんですが、何を言ってもガンとして、作品中の間違いや良くない部分を受け入れない子も、他に結構いたんですねー。
良くない部分や悪い部分を指摘される事が我慢できない。。。あんまり良くない傾向ですね。

その文芸部のサークルで半期に1冊ほど、同人誌を発行するんですね。
その中の私の作品で「ノスタルジック」の文字が、間違えて「ノストラジック」ってなってたんですねー、これ私が書いた原稿自体の間違いだったんですけど、誤字とかは編集の時にある程度チェックして潰す事になってたんで、その時の編集長の先輩に

せんぱーい!この誤字程度は見つけてくださいよー!

って、ちょっと文句を言ったんですね。そしたら先輩が

いや、気になったんやけどsottoくん、俺が指摘しても、いつも直さんやん。
なんかいつも、敢えてそうしてるとか言うから、今回も敢えてノストラダムスと引っ掛けてノストラジックって書いてるんだと思った…

って。あんまり自覚は無かったんですが、ここにもそんな人間がいたんですねー。びっくりしました。


エピソードのメタ情報

第23回の台本です。
配信日は2024/10/05でした。

YA-MOやーも君の思い出を語った回でした。
今頃どこで何をしてるかなー

もしよかったら、このエピソードのポッドキャストも聴いてみてください。

「和尚は逃げても寺は逃げない」はポッドキャストで配信していて以下プラットフォームで聴取可能です。

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