「はじめてのガラスペン」を読んで描いてみた【作画塾 番外編】
はじめに
お久しぶりです。外堀妖です。今回は、作画塾の番外編となります。
2021年12月1日(水)、「見て、さわって、描いて、書く はじめてのガラスペン」という本が出版されました。世界初!本格的なガラスペンの本です。
著:武田健様
編集:調度株式会社 木庭將様・木下玲子様
出版:実務教育出版社様
ガラスペンとは
ガラスペンについて調べると、“日本発祥の文房具”であることが分かります。日本発祥の文房具を使い世界初の本を書いた武田様、流石です…!
毛細管現象
ガラスペンは、ペン先に作られた溝に沿ってインクが吸い上げられる“毛細管現象”(医療用語っぽい!)を利用した文房具になります。
表面張力によって液面が縮まろうとして水面を持ち上げることで、インクが吸いだされる仕組みですね。
15世紀末(1490年)にレオナルドダヴィンチがこの現象を発見しているとのこと。ガラス自体は、紀元前25世紀頃からあったみたいです。
ガラスペンが出来たのが先述の通り、明治35年(1902年)。数千年経って色々な技術が集結し実現した筆記具なのですね。奥深し。
ガラスペンのポイント
ガラスペンのポイントとしては、以下があげられます。
日本発祥のため、種類が多い。
一回インクをつければ、ハガキ1枚分(約30メートル)の筆記が可能。
インクの付ける量でも書く太さが変わる。
毛細管現象は、管が細いほど水位が上がりやすいので、溝の本数が多いほど長く書ける。
逆にいうと、細いほど詰まりやすいので、顔料インクやラメインクは、太め(溝の数が少ない)ものが良いということになる。
万年筆のようにインクごとにペンをそろえる必要がなく、つけぺんであるため、水につけて洗浄すれば好きなインクをすぐ使うことができる。
ガラス製なので割れる。
☞お分かり頂けますでしょうか?
長い筆記が可能で、かつ、好きなインクをすぐ使うことができるつけぺん。インク沼絵描きの救世主なんです!!
私の唯一のガラスペン
私も、1本だけ本格的なガラスペンを持っています。
ガラスペン「銀河鉄道の夜」 by.ガラス工房 LUC 直川新也様
青色や空などの風景が好きなので、デザインに惹かれ購入。
そして、開封5秒。手が滑って、ガラスのペンレストに勢いよくペン先を落とし、割りました(笑)
病棟で手洗いばかりするので、指紋が無いのかも…。
速攻で直川様に連絡すると、送料のみの負担でReopeして下さいました!
なんとペン先の太さも自分好みに細くして頂きました。神対応過ぎます。
以降、もう割らないようにと、看護学生時代から愛用の「プニュグリップ」(クツワ株式会社様)をペン先やペンレストに装着して使用しています。反省。
サトウヒロシ先生特集で絵を描いてみよう!
上記のポイント(結構重要!)を踏まえて、本題に入ります。
上記ツイートの通り、「はじめてのガラスペン」内、CHAPTER3「愛好家の使い方」#01 (p116~119)にてサトウ先生の特集が組まれています。
著作権の問題で上記が限界ですが…(先生から承諾済)
万年筆インク:すなおいろ「壌」
ガラスペン
ガラス棒(なければ水筆のお尻、オススメですよ)
水筆
紙(ワトソン紙やグラフィーロなどインクが伸びやすいもの)
P118では、この道具を使って、「木」を描いていきます。
紙に水を敷く→ガラス棒でインクを落とす→水筆で広げて木の形になるように伸ばしていく…のはいつもの流れ。
ここで完成させないのが“サトウヒロシ流”!先ほどまとめた“毛細管現象”を逆手に取ります。
☝の画像、大人の事情でぼんやり見える⑧に注目。
⑧にはさらっと書かれているのですが、ここが「木の質感」を出す最大のポイントになります。
普通は、インク瓶の中にガラスペンを入れてインクを毛細管現象で吸い取り「書き」ますよね?
紙の上で、インクと水で湿っている環境で、ガラスペンで木肌を描くように線を引くと…インクが紙から「抜かれて(吸い上げられて)」質感が出るのです。
ガラスペンでの「色抜き技法」。頂きました~!
色抜き技法(ガラスペンの毛細管現象)を使って私が描いた「木」がこちら。
記事を書く前に、根拠(毛細管現象)も分からず5分で描けたので、皆さまも是非ご一緒に!
武田健様、調度株式会社 木庭將様・木下玲子様、実務教育出版社様、直川新也様等々…すべての方に感謝致します。ありがとうございました。
2021年12月6日(月) 外堀 妖
告知
「作画塾#002」
2021年12月9日(木)21:30~YouTubeにてライブ予定!ご期待ください!!
☆過去記事はこちら
☝サトウヒロシ先生と外堀妖の初のYouTubeライブ「作画塾#001」
☝「作画塾・#001」の振り返り
☝「作画塾・#001」の課題