12. 酒井穣『新版 はじめての課長の教科書』
課長試験に合格し、その椅子はもう目前。あとちょっとで手の届くところまで来たら、とにかく課長になりたくなってきた。イメトレを兼ねて、課長の専門家こと酒井穣氏の『新版 はじめての課長の教科書』を読む。
課長になるとは、実務の第一線から引退し、まったく新しい仕事をはじめるのに等しい。そして、部下のモチベーションを管理するのがその新しい仕事である。モチベーションを高めるだけでなく、維持するという視点も欠かせない。そのためには、全員をひとりの人間として尊重し、ひとりひとりの人生を応援するつもりで臨みたい。
当面、目指すのが役割分担が明確な組織である以上、ルーチンワークをきっちり定義し、確実にこなせるしくみをつくると同時に、組織の構成員が例外を例外として正しく認知し、速やかに報告する体制を整えなければならない。そして、課長はバランスの取れた決断を下す。つまり、組織を整える、意思決定を下す。これが主な仕事になる。
第4章の「避けることができない9つの問題」が特に興味深かった。
真面目な社員ばかりだから、いまのところ心配はない。
そのリスクが想定されるのは、唯一の20代の若手と、ぼく自身だろう。むしろ、外でも通用する人材であるぐらいがいい。
ハラスメント気質の自覚があるだけに、ここは要注意。
外国人の同僚はもういる。
最近、LinkedIn経由でちょくちょくメッセージが届くが、どれもヘタな鉄砲数打ちゃ感が半端ない。ヘッドハンターから声がかかる人材になりたいというのは30代を通しての目標でもある。
むしろ、また海外で働きたい。だが、そのために転職するだけのモチベーションはいまのところない。
さすがにそれはない、と信じたい。
組織の構成的に、誰かを昇進をさせるかどうかで悩む心配は当面ない。逆に、後継者問題にぶちあたる可能性はある。
この光景は容易に想像できる。
まだ課長になっていない段階ではあるが、イメージをつかむのにもってこいの一冊だった。
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