23. ピョートル・フェリークス・グジバチ『0秒リーダーシップ』
課長昇進を目指すにあたり、リーダーシップやマネジメントを学びたい。その一心ではじめた集中的な読書だが、投資の方向に寄り道してしまった。
別にビジネス書ばかりを読んできたわけではないので、いずれは幅広くアウトプットしていきたいが、しばらくは本筋に戻りたい。
そこで、タイトルが実に刺激的なピョートル・フェリークス・グジバチ氏の『0秒リーダーシップ』を読んだ。モルガン・スタンレーを経て、Googleで人材開発、組織改革、リーダーシップマネジメントに従事してきた、いわゆるリーダーシップの専門家である。
まずは、タイトルの「0秒リーダーシップ」について。肩書や仕事を問わず、誰もがリーダーシップを求められる時代だから、いますぐ、つまりは「0秒」で個人がリーダーシップを発揮すべきだ、という意味である。赤羽雄二氏の「ゼロ秒思考」における最速というニュアンスとは異なる。
現状にプラスアルファの変化をもたらすのがリーダーシップの基本であり、その定義からすると、誰でもリーダーシップを発揮できる。指示するだけがリーダーシップではなく、自らが行動によってロールモデルをつくり、フォロワーを生んでいく。これもれっきとしたリーダーシップだ。
逆に、過度の失敗への恐れ、肩書がないゆえの遠慮、黙って従っておけばいいという無責任な態度、そして、現状維持志向。これらはすべて、リーダーシップの大敵である。
特に問題となるのが、現状維持志向。イノベーティブシンキング、プロトタイプシンキング、ラーニングアジリティなどで打破していく。
エモーショナルインテリジェンスやマインドフルネスを強調するあたりはGoogleらしい。
保守的な日本の会社で、初級管理職たる課長を目指すぼくにとって、本書で掲げられているリーダー像はあまりにもまぶしいが、ギャップが大きい分、それだけやりがいがある。