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2030年を見据えて

@sotarok です。こんにちは。
この先10年を考えていく中で、自分の考えをまとめておくとともに、最近近況をご方向できていなかった方への近況報告も含めて、今なにやっているのか、この先何をやっていくのかを書いていきます (なお、とりとめがない + 長いです🙏)

「告知」だけを手早く見たい方は一番下までジャンプしてね🍺

メルカリでの4年間

4年ほど、CTO、VPoE、CSEの立ち上げ、とお仕事させていただいていたメルカリを3月末に退職してました。(直接ご報告できていない方 ... すみません🙇‍♂️)
ここ半年は、家族との時間を大事にしながら次への準備をしてきた感じです。

次への話にはいる前に、軽く振り返りをしようと思います。

"カオス" な日々と、成長へのコミット

最近採用サイトでも"カオス"を謳うメルカリではありますが、入社当初である2015年5月のメルカリは、今とは違った意味でとってもカオスでした。
PM陣と開発陣がN:Nでチケットを投げあい誰が何をやっているのか全然わからない(Redmineで頑張って絞り込むとなんとなく見えてくる)、次に何をやるのか決まっておらず空いたら適当にチケットを拾うスタイル、開発環境もそれぞれが自分用に作っており入社した人向けのガイドなんてもちろんありません。整備されていない開発フロー・採用フロー、統一されていないツール群、あぁ、めちゃくちゃ、これがスタートアップだよな〜ウンウンと思った記憶があります。まぁ、それがとんでもなく楽しかったのでした。

その中で、当時まだ28だった自分にCTOという立場を任せていただいた経営陣には感謝しかありません。

プロダクトの要望に応えるための開発組織を成長させていくこと、そのために質の高い採用をしていくこと、エンジニアリングマネージャーを任せていくこと、技術ブランディングを確立していくこと、そしてそれを文化に昇華させていくこと、海をまたいだ組織のマネジメント、セキュリティ、日本人以外の採用と英語 ... 急速に成長するプロダクトと組織の中で、数多くのトライをしました。うまくいったものも多数ありましたが、後手に回り続けたり大きな失敗をしたりもしました。

そんな自分を常に周りから支えてくれた優秀なチームメイト (特にEOT、EM、SRE、ITチーム、CSE)、人事、マネージャーの仲間たち、それ以外のたくさんの自分と一緒に仕事をしてくれた皆さんには、本当に感謝しかありません。ありがとうございました。(メルカリでの日々、最高だったよ!!)

メルカリで最も感心させられたもの

プロダクトや開発組織で有名なメルカリの中で、僕が初期から一貫して最も感心させられ続けたものは、実はプロダクト以外(メルカリで言うプロダクトとは、ソフトウェアエンジニア、プロダクトマネージャー、デザイナーなどプロダクト開発そのものを役割として担う職種の人たちです)のメンバーの優秀さ、です(もちろん、プロダクトの人たちも優秀ですよ👌🏻)。すなわち、コーポレートのメンバー、特に、法務、ビジネス開発、CS  (CSは、厳密にはコーポレートではなかったですが、当時はコーポレート組織下にあったのでした) の強さ、でした。
自分の考えを大きく変えた、そしてこの先の自分の時間の使い方を定めていく大きな要因になった原体験がここにあります。

それまでの自分は、自覚してそういうつもりでなかったとしても、少なからず、開発組織以外の機能を軽視していた部分があった気がします。

メルカリのコーポレート組織は非常に強く、直接的にはプロダクトを開発しなかったとしても、全員がプロダクトの成功のために開発メンバーを猛烈な勢いで後押ししてくれる味方でした。よく開発組織とぶつかり合う対象として語られがちな法務やビジネス開発(BizDev)も、一丸となって前に進んでいける、ある種のグルーヴ感のようなものがそこにはありました。彼らナシでプロダクトは成り立っていないな、と確信しました。

こうした思いが、後の Corporate Solutions Engineering (CSE)で、経営課題をエンジニアリングでの課題解決をしていく (当時は特に、人事・労務・総務など)、という自分のアイデアの大きな源泉となっています。

そんなわけで

あまり振り返っているとそれだけで本が書けそうなので (本当か?)、このあたりにしておきます。

人生の中で、こんなに濃い時間を、アツい人たちと、同じものを目指して All for Oneに、それぞれの技術を Be Professional に磨き、Go Bold に、大胆に実行していく、そんな瞬間は死ぬまでにもう訪れることはないのかもしれないな〜とすら思っています。4年間でしたが、もう10年くらいに感じるような濃厚な日々でした。それだけ自分自身も成長できていれば良いのですが、それは今後示せれば良いなぁと思っています。

... で、結局何かというと、様々な経験を重ねながら自分も周囲の状況も状況は変わっていく中で、次第に "自分でなにかやりたい"と改めて思ったのですよね。

メルカリに入社する前は、転職、起業、大企業で引き続き頑張るなど、様々な選択肢がある中でも、起業という選択は選びませんでした。その時はまだ、自分の中に確固たる思いはなかったのです。しかし、今回改めて自分のこれからを考えていったときに、自分で次のビジネスを立ち上げていくことは最も重要な事になってきたのでした。
なので、次の自分のテーマを決めていく中で、明らかになってきたものをいくつかお話したいと思います。
すでに長いですが、いや、そっちがの話がメインなんです😂

"幸せ" は何か

突然エモい話になりますが、何に対して幸せを感じるのか、というところを改めて、考えました。

メルカリの中で、CSE は、紛れもなく幸せでした。圧倒的なパワー(技術、だけにとどまらない、実行力、想像力、創造力、課題解決能力、それをチームで成し遂げる力) で、本質的な課題を解決し、「よくなった!」「こんなものが欲しかった」を目の前の人たちに提供している感覚。

あるいは。

退職後、少し時間をもらって日本半周🗾一人で回ってきました (まだ書き終わっていない旅行記があるのですがw)。みんなが次々世界一周の旅に出る中、なぜ日本を回ったかというと、自分にはぼんやり、"日本が好きである"という思いと、"その日本の現実を見て回りたい" という思いがありました。

自分の普段見ている世界の狭さ、つまり、"東京のIT業界周辺" というのは、頭でわかっている以上に、めちゃくちゃ小さな世界であることを実感したかった、という思いです。

例えば、下関で立ち寄ったこぢんまりした居酒屋は、女将さん1人で運営していて、入店時には常連さんらしきのんだくれたおっちゃんが1人、他のお客さんが途中で入ってきた3−4人組。全くIT化されていない世界で、彼女は1日に10人やそこらを相手にし、でも東京から旅をしていた僕とあれこれ話し、赤なまこをススメ、僕はとっても満足して帰っていく。(息子さん同じくらいの歳だって)。
1000万MAUとか、流通総額1000億円とか、そういう世界とはまったく違う世界だけど、それでも彼らも1つの小さな "ビジネス" を営んでいて、その中で、誰かに、美味しいもの、楽しい時間を提供し、彼らは彼らでまたそういったコミュニティのなかで人生を過ごしていく。

"ああ、こういう幸せもある"

という感覚がありました。

もちろん僕らがITの力を使って世の中にこれまでなかった価値を提供して、それによって新たな利益を得る人、楽しい時間を過ごせるようになる人、その地域ではできなかった何かができるようになること、様々な "世界を変えるプロダクト" も、多くの幸せを作り出す1つの材料になりうるとは思いますが、実際に世の中に存在する様々な人の感じる "幸せ" は何もそれだけではない、と。

Crocos を経て

話はちょっと戻りますが、Crocos (クロコス) という会社をやっていたことがあります。メルカリに入社する前、2011年~2014年です。

(あ、そういえば CTO って何すればいいんですか、CTO ってなんですか、って今でもよく言われるんですが、そのたびにその 📝Crocos のときの総括の記事をぺろって貼ってるので、もし読んだことがなかったら読んでみてくださいね、もう5年前の記事ですが、今でも自分でも同意することの多い記事です。)

この会社は、創業1年半でヤフーに買収されました。その当時は、Facebookが日本でドカンと立ち上がったその波にのってあっという間にいわゆる "EXIT" した会社です。(わかりやすく言えば、です。EXIT という言葉は実際のところあまり好きではありません。また、コレ自体は様々な人との関係、運などが手伝ってできたことで、もちろん僕だけの力ではありません、言うまでもありませんが)

それはそれでひとつの自分の "実績" ではあると思うのですが、それで "スタートアップ" や "起業家" として成功した、といわれると、どうなのか、と思うのです。一時的にはそうかもしれませんが、正直いま時点で Crocos という社名も、そこでやっていたサービスも知る人はほぼ一部の人に限られます。

本当にそのときに、将来に渡って "価値のある仕事をした" と誇れるのだろうか? というのは、ずっと自問しているところです。あの頃の自分がなければ今の自分はないというのは確実にそうですが、事業として、世の中に価値を提供できていたか、という観点でいえば、正直もう忘れさられている。

そういう観点では、別に "EXIT" していなくても、しっかりと顧客に価値を提供する仕事をし、それを10年、15年と継続している経営者の諸先輩方を見ると、本当に素敵だな、素晴らしいな、と思うのです。

いや、もちろん、"変わりたくない" とは違います。例えば、もうこの業界でいえば長いGoogle、コンピューターの世界では最古参の IBM、彼らも様々ビジネスの形を変えながら新しいものを生み出したり、もちろん、提供を辞めたりしているので、変わらない、ということはありえない。日進月歩の情報技術革新に伴ってビジネスは当然変化を続けます。
でも、そこにある本質的な考え方は、確実に新しく生み出されるサービスに引き継がれていっているのではないか、と思います。

顧客に提供する価値とはなにか

前節における "価値のある仕事" とは何なのか、という話です。

僕はそれを「顧客を幸せにできたか」だと考えています。

僕らであればIT、飲食であれば飲み物や料理、ミュージシャンであれば音楽など、様々な人達が様々なものを武器に、様々なビジネスをしていく中で、「買ってよかった」「便利になった」「楽しかった」「美味しかった」「かっこいい!」「ワクワクする!」「嬉しい」「幸せだなぁ」というような気持ちにさせることが、顧客に提供する価値で、ビジネスをする根源的な欲求であり、僕が働く理由なのです。

そう思ったときに、次にやっていくことは、課題やそのテーマに対して本質的なプロダクトを、中長期的な目線で長く価値を提供していけるような形であり、そのための環境や体制を作り上げていくことがものすごく重要なことだと考えています。そのために、“自分でやる” のです。

今後の方向性

nequal のときから標語にしている "a little more happy"という言葉があります。

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"to make the world a little more happy" は、世界を変えるぜ、と意気込むのではなく、今より少しハッピーな世の中に、という控えめな、でも根源的な欲求だと思っています。

そう考えると、実は次にやっていきたいと考える根っこの部分にあるものは、nequal を立ち上げたころから変わってなかったのではないかと今は思っています。

様々な経験をしてきて、ここに帰ってきたなぁ、と。
(あ、とはいえ別に nequal で起業するという話ではありませんよ)

2030年を見据えて

そういうわけで、次にやっていくことは、

本質的な価値を顧客に届け、長期的提供し続けられるものを作る、またはそういった体制を作ること。
・"今よりも少し幸せな未来" を提供する (ニッチでも。MAU20万人で課金率80%とかみたいな世界観も面白そうじゃないですか?)
・それのために、コントローラブルな経営の状態を作り出し、維持していく
・そのためにきちんとプロフィタブルな事業を作る
・それにより、顧客、社員、家族の "a little more happy"を作っていく

というあたりを軸に、次の "自分らしい" ビジネスを作っていこうと思っています。
当面の目標は、10年で、100人の社員で、100億の売上をたてる、です (ひとつのサービスで、とかではない可能性もあります)。

目指す姿は Basecamp 的な雰囲気です。「小さなチーム大きな仕事」を聖典として定期的に読み直している自分にとって、まさにこれだな、と思っているところです。これは、資金調達して人増やして〜とやるよりも少し難易度の高い挑戦になる可能性があるとは思っています。

で、具体的にビジネスとして何やるの?という話はまた改めて。
すでに大枠のアイデアは固まっているので、楽しみにしていてください。温かく見守っていただけると嬉しいです。

ここまでの経験を詰め込んで、自分のが楽しく、本質的な課題に向き合って、引き続きソフトウェアプロダクトづくりをしていこうと思っています。

よろしくお願いします!!

それ以外にやってること

メインの自分のビジネスとしては、これから立ち上げていくよ〜ってところですが、現在進行系で動いてるものとしてだいたいこんなかんじの近況ご報告です。

エンジェル投資:
少額ではありますが、継続していきたいと考えています。なぜなら、エンジニアがお金持ちになるのに少しだけでも加担したいというのがあるからです。思いはGistに綴ってあります。すでにいくつかリリースを出させていただいてますが、自分が面白いと感じるもの、応援したい人たちへの投資は小額でも継続していきたいと思っています。

技術顧問:
技術顧問ってなに、って話はこっちに書いてあるのですが、基本的にはCTOのコーチング・メンタリングを通じて、精度の高い意思決定をしてもらうために、基本壁打ち相手がいなくて孤独なCTOを少しでもサポートできればと考えています。自分のビジネスが本格稼働してもできる範囲で継続したいとは思っています。

レース活動:
今シーズンA1レースにシーズン参戦したのですが、レース活動も来年以降も何かしらできる方法を模索してやっていこうと思います。DHHのようにル・マン目指していきます。🏎


... あ、で、告知が1つ!

吉祥寺にダイニングビアバーをオープンします🍺

それで唐突に告知なんですが、2020年1月に吉祥寺にビアバーをオープンします!
某コーヒー店のような "キャッシュレス専用" とかでもなく、普通の飲食店です。(普通かと言われると、普通じゃないところもたくさんありそうではあるんですが ... まぁそこは追々 ...)
え、オーナーでしょ?と言われますが、それはそうなんですが、当初はもちろん自分も店頭に立ちますし、料理もしますし、ビール注ぎます🍻

なんで?

って既にお話したところではありますが、自分の想いを書いておきます。

大きな理由は、ミクロな世界でのビジネスを(少なくともひとつ)立ち上げたいと思ったことです。

インターネットビジネスは、よくも悪くもマクロな世界です。前述の通り、MAU1000万とか、CVRが2%改善したとか、流通量が100億を超えたとかを目指して作り上げていきます。インターネットを利用したスケールするビジネスと言う事は基本的にそういうことなのです。
(語弊を恐れずに言えば。もちろんそうでないサービスもありますけどね。)

飲食ビジネスというのはその真逆に位置しているところが面白いな、と思っています。まず場所や広さによりMAUの最大値がほぼほぼ決定されます。利益率や顧客単価は努力で上げ得るものもありますが、それでも上限値は存在します。つまりビジネスはスケールしません。

一方で、ミクロなレベルでの体験の濃厚さと言うものが存在します。いつどういう状況の時に誰と何を話しながらどんなもの食べた飲んだ、といった記憶は意外と何年たっても覚えているものです。そういったものを自分の手で作り上げていくというのはとても楽しいじゃないですか。

ITを知り尽くした僕らだから出来ること

これも少なからず存在していると思っています。そういう意味では、他業種に応用できる考え方や普遍的なITの価値を発見する手段でもあるといえます。

自分自身が次に立ち上げるビジネスは、できれば、(当初はそうでなかったとしても、将来的には) IT業界以外にも応用し得るものでありたいと思っています。

ローカルのスモールビジネスに対しても適応できるようなアイデアを自ら発見し、その解決方法を提案・作り上げていく、そのためパイロット的な店舗を自らの手で運営する、というのは良い考えだと思っています。

なぜ吉祥寺で? なぜビールを?

なぜ吉祥寺か、といわれると吉祥寺が好きだから、なぜビアバーなのか、といわれるとビールが好きだから、です😋

まぁ、つまりやりたいからでしょ?と言われると、そのとおりですw 

でも、そういう、点と点を作っていくところですが、長期的には線でつながると思っています。

やるからには、地元の人に愛される店を目指してがんばります

で、ビアバー🍺

今回、ビジネスパートナーとして、元GOSHIKI創業店長で今は野生のデザイナー (そして元グリーの広報兼デザイナー) の Hiromi Tanakaが、店長となってくれることになりました。(GOSHIKIは、COEDO全ラインナップをドラフトで飲めるお店として親しまれた六本木のビアバー(現在は閉店)です)。
オーナー・店長ともにガチガチの "チームインターネット" なので、ビアバーとして以外にもお店で面白いことやっていきたいと思います😋

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(内装工事中の店舗でパシャリ📸写真に合わせてビールを買いに行ったら缶しかなかったんだよごめんな...)

お店のことはまた別の記事でもつらつら書いていこうと思いますので、引き続きよろしくお願いします。とりあえず各種SNSにアカウントを開設しましたので、ぜひぜひ、いいね、シェア、フォローお願いします🍺

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まとめ

・メルカリたのしかったよ
・新しいことなにかやるよ、来年あたり目指してソフトウェアでビジネス立ち上げるよ、2030年を見据えた長期戦略でやっていくよ
・吉祥寺にダイニングビアバーやるよ、🍺だすよ、🍖だすよ、🍕だすよ、遊びに来てね🍻

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ではまた。



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