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『レトルト三角関係』 毎週ショートショートnote

ちょうどレトルトのパウチがある。食べちゃおう。

袋を開けると、中から矢印が二つ出ていった。
これ、カレーじゃなかったのね。
袋を確認すると、こんな説明文が書かれている。
「新鮮な恋愛感情が保存されております。矢印が届いた者は、封を開けたあなたに好意を寄せるようになります」

飛んでいった矢印は二つ。
つまり二人が私に好意を寄せるようになるということ。
困った、いきなり三角関係だなんて。

矢印は家を出てすぐに見つかる。
隣に住む幼馴染の双子の兄弟に当たったみたい。
生まれた頃から三人で仲良し。
恋愛感情なんてなかったけど。
まさかこれがきっかけで、友情が愛情になるのかも。どうしよう。
私のために関係が壊れるのは困るわ。

だけど、二人とも変わった様子はない。
「私のこと、どう思ってる?」
「え、幼馴染の友達だけど」
「あ、そう。私のために二人が争ったりとかは?」
「なに言ってんだ。三人揃っての腐れ縁じゃないか」

もしかして、新鮮な恋愛感情も
すでに腐っている関係には効かないってこと?



こちらの企画に参加させていただきました。

『レトルト三角関係』というお題だったので
関係性を保存しようという考えになりました。

「保存・新鮮」の反対で「腐る」で「腐れ縁」を使用。

「魅力的な主人公」というテーマもあったので
三角関係の中心が主人公になるよう設定しました。

上記のテーマからこのような
不思議なレトルトについて書きました。


こちらは前回の作品です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
感想いただけるとすごく嬉しいです。
ぜひあなたの作品も読ませてくださいね。

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