ショートショート『不思議な宝箱』【洞窟の奥はお子様ランチ】
その洞窟には『開けた人間が必ず幸せになる宝物が入っている』と噂の宝箱があった。
だが洞窟は危険な場所だ
ヘビやコウモリ、ドラゴンなど恐ろしい生物が住んでいる。
何度も冒険者が挑戦しては、逃げてきた。
どうしても宝が欲しい村人は、一人の男に依頼した。
男は二十歳。とても力が強く、動きも俊敏だった。
ヘビに絡まれても、コウモリに襲われても、上手く切り抜け。
ドラゴンとは昼夜を忘れて戦い、そして打ち勝った。
ついに、男は洞窟の奥の宝箱に辿り着く。
「わーい、たからばこがあった!」
村に帰って、大勢の前で宝箱を開ける。
中を見ると、お子様ランチがひとつ。
「やったあ、チキンライスにハンバーグもある!」
村人たちは、大変がっかりしている。
宝箱にはこう記されていた。
【開けたものの心の年齢によって、中身が変化する】
男の精神年齢は『5歳』であった。
別の人間が開けたなら、金銀財宝が入っていたかも知れない。
だがハンバーグを手づかみで食べる彼はとても幸せそうだった。
こちらの企画に初めて参加させていただきました。
【洞窟の奥はお子様ランチ】のお題で【冒険小説風】
アイデアが生まれた流れとしては
冒険者の年齢によって報酬が変化するシステムがいいかな?
→大人はお金に対して、子供はお子様ランチ、とか。
「洞窟の奥」から「宝箱」を連想
宝箱の中にお子様ランチが入っている。
5歳の子供の勇者が、お子様ランチを得るのは普通すぎる
→精神年齢だけ5歳にしよう
→実年齢は20歳にしよう
みたいな感じでした。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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