ショートショート『お気持ち花束』
交際して1ヶ月
そろそろ彼女との結婚を考えていた俺は
近所の花屋さんに足を運んだ。
「プロポーズ用の花束が欲しいんだけど」
「こちらはいかがでしょう?」
花屋の店員に出されたのはビニールの持ち手だけ。
「これは”お気持ち花束"です」
「なんだそれは?」
「送り手から受け手に渡ると同時に、お互いの気持ちを汲み取り、自然と花束が現れるのです」
花屋から持ち手を受け取ると、白いアネモネが現れた。
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