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福島を抱きしめに来た ウーマン村本氏インタビュー

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live開始直後から全開   マイクを持つ村本氏


ショーレースのチャンピオンでありながら

吉本興業の異端児として知られる村本氏。

社会風刺を自らのステージに多く仕込み、『笑い』に向き合う異質の存在は

私たち世代のビジネスマン、ファッションloverにも見習う点が多くある。



なぜ彼は、孤独でいられるのか?

なぜ彼は誹謗やレッテルに耐え、他者=『多くのお笑い芸人たち』とは違い

荊(いばら)の道を歩むことが出来るのか ?

2022年3月12日ー

福島県南相馬市で行われた無料liveにてウーマンラシュアワーの村本氏が吠えた。

会場は笑顔に包まれた。目に涙を浮かべた者もいた。


今もなお問題を多く抱える福島では2022年3月25日、

オリンピックの聖火リレーがスタートした。


本番終了後、live終わりの村本氏を直撃し氏の本心に迫った。



インタビュー内容

なぜこの日に福島に来たのか(沖縄との共通点)

大人の着ぐるみ目が合わない社会

ぶっ壊せているのか?

笑いとは

悲劇の中に喜劇がある

抱きしめに来たそして世界へ






#なぜこの日に福島に来たのか (会場の様子と沖縄との共通点)

圧倒的な1時間のliveであった。

村本氏はlive冒頭

「僕は原発出身の福井県出身である為、

原発事故が起きた3.12に来たかった」

と語り会場は沸いた。拍手に包まれた。


「福井出身の方はいますか?いませんか?福島は田舎ですからね。

福島にいる外国人とは北朝鮮の工作員くらいでしょうか?」


ハラハラさせるがその発言には

被災した福島の人々を思いやる優しがが存分に感じられた。


会場では、目に涙を浮かべ笑う参加者の姿も確認できた。

筆者が福島に入り、初めて目にする笑顔であった。




目に涙を浮かべ笑う参加者 会場は緊張と爆笑の空気に包まれていた


——


村本さんは前日はまで沖縄に滞在されていましたね。

Q沖縄と福島の共通点はありますか?

その点からお話を聞かせて下さい。



「沖縄との共通点?ありますよ〜」と食い気味で返す。

筆者の唐突な質問にもすぐさま返す。頭の回転が早い。

何度も言葉を選びながら、感嘆詞、接続詞、を交え何度も言葉を考えながら。迷っているのか。優しさなのか、丁寧に言葉を紡ぎ出した。

そこには言葉を生業とした男の、言葉を大切にする姿勢があった。




「原発反対ー基地反対、大きな声がせめぎ合っている。

『しょうがない』とか『いや、しょうがないで終わっちゃ駄目だろう』とか

大声の人が居ると、もう若者の人達はどんどん敬遠していったり、

そういった賛成反対、いやうるさい。

もう賛成反対もいい、うるさい、もういいんじゃないか?

(議論自体を避けてしまう)

と、言うのがこの現実としてありますよね。


『なるべく思ってる事を隠しがち』って言うのが、共通点としてありますよね。

ケンカになっちゃうから。意見でケンカになっちゃうから。

隠してるなってところがありますね。

そう云う”構造”、を作られているってありますよね。。」



#大人の着ぐるみ #目が合わない社会

Qもう少し痛みに敏感になろうぜ?とか

当事者の観点を思いやろうよ?と発言されていますが、具体的に教えていただきますか?どうしたら当事者の気持ちになれるんですかね?無意識な人とかっていると思うんです。



「-人と、本当に関わりたかったら、それは目の前の人でも、

目の前で一緒に酒飲んだ人でも、飯を食った人でも、関わろうと思って話を聞いていったら良いと思うんです。

みんななんか、

さっきも言った様に嫌われたくないし、変な意見持ってるって思われたくないし、

みんな”着ぐるみ”を着ている者同士。

着ぐるみを着ている者同士って、もうお互い向かい合っている事はわかるけど、

目が合ってるかわからないじゃないですか?

なんか人間関係ってそんな感じがどんどんしてきて、

喋ってるけど、この人本当に目が合ってるのかな?みたいな。。


でも、お互い着ぐるみを着て喋るわけですよ、

大人は大人の着ぐるみ子供は子供の着ぐるみ。

だから俺は、実は俺は目を合わしたいよ、あんたの事聞きたいよって

(そう接したら)思ったら、自分の話も聞いてもらえるし、

聞いてくれたら人の話も聞いてくれるし

だから「聞く」「興味ある」「貴方に興味がある」ていうことが俺は

誰かの誰かの痛みっていう事を知って、

『あ、私もそうゆう事言いたいんだよ。わかる。わかる。』って共感できたり

お互いを思いやれると思うんです。目が合わない社会に俺は問題があると思うんです。」




Q目を合わせたいよと村本さんの方から近付いて行ってるわけですね。

その現状を村本さんは笑いを通してぶっこわしてる?


#笑いとは #ユーモアやジョークとは

「笑いの中でぶっこわせてるのかな。。笑いってのは、なんかこう”見え方”であるんでね。。原発反対賛成っていう大きな声の中にもちょっと面白い観点があったなとかね。。interesting(interesting=興味を起こさせる、関心を引く、興味深い、興味のある、人の関心を引く、注意を引き付ける、面白い)な観点があったなとか。

そう云う事を発見するのが笑いで。」



「(なんだろう。。今からするのは例え話ですけど)

黒人の芸人の女の子が

『黒人に生まれるのと、生まれ変わるのと、

クラミジアになるのどっちが良い』って?云うんですよね。これって

結局ただのジョークの様に見えて、

『黒人て言うのはそれぐらい辛いんだよ』って云う事をジョークの中で言うわけですよ。ジョークって云うのはストレートではなくてね。。

たまにミュージシャンで

「愛とユーモアを持って」とか「愛とユーモアが大事だ」とかって歌があるんですけど、いつも思うのは(いつもは削除しても良い)

その歌の中にユーモアは一個も感じないわけですよね。

ユーモアってユーモアだし

直接云う事ほど実はちょっとつまらないものはないんだと思うんです。」




#笑いは直接ではない #村本氏の一番の目的


「お笑いは云うのは”直接”じゃなくて。。

だから電気はどこへ行くって(ネタの中で叫ぶと)笑うじゃないですか

その時に福島の人めっちゃ共感するじゃないですか?

『確かに、確かに電気はどこへ?』とずっと気付いてたことじゃないですか?※1

ずっと思っていた事で

あの、救援物資の話もそうだし※2

笑いにはー

笑った後にーたぶん。。ー

俺の一番の目的は、たぶん今日みんな帰って寝る前なんかに、ふとあの言葉思い出した瞬間が、ちょっと”考える”って事で、これが、ここまでが”笑い”かなと思って

家帰った後まで。うん。」



※1 福島で作られていた多くの電気は首都圏で消費されていた。

※2   救援物資や義援金も一人ひとりに公平には届かなかった。


家に帰った後まで、確かに村本氏は2度繰り返した。

そこには家を無くした福島への方への愛情を感じずにはいられない。

言葉狩りの時代に言葉を発言を恐れない。芸人ー言葉を生業としてきた素性が垣間見えた。

言葉とは本来、伝えては消えてゆく曖昧な音でしかない。

一字一句の言葉よりもその言葉がどんな気持ちから生まれてきたのか?

誰もがもう一度想像し振り返るべきその時だ。




次稿に続く

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