wana be back 3.10. 戻りたい風景 vol 3
2011 3 末日
渋谷のアジトに画面に行方不明の息子を探す老夫婦の姿が映しだされている。
瓦礫の中、大きな声で息子の名前を叫んでいる。
声は風にかき消され、本来返事を返す者はいない。お父さんもういいよと母親が手を握った。
「創太郎、お前、現地行ってこいよ。。」
バーオーナーの達也さんが促してくれた。
ここで行かなければ嘘になる。アジトの物資を届けた先発隊。福島出身の友人の帰郷。二度も現地に行くきっかけを逃していた。
日に焼けた肌。帰国して数ヶ月。バックパックの中には南ア