Web3.0を理解するために Vol.2
Stake Technologiesという会社は、Web3.0の実現をミッションに置く会社です。先日、Web3.0を理解するために Vol.1という記事を書きました。今回Vol.2ではWeb3.0に関する解釈となぜそれが重要なのかを述べます。Vol.30くらいまで行ったら本を出したいですね 笑。
トラスト
ブロックチェーンと分権化の動きは「トラスト」のあり方と切って切り離すことはできません。
シリコンバレーで最も有名な投資家の1人であるa16zのBen Horowitzは
「ブロックチェーンは処理速度が遅い、今でもまだ複雑だし基本的な沢山の機能が欠けている。しかし、1つだけ今まで存在しなかった特徴を持っている。トラストだ。」
といった発言をしています。
トラストというのは分かりづらい言葉ですが、日常の至るところにあります。今、ココス(ファミレス)でこの記事を書いていますが、注文した料理を食べれるのはココスをトラストしているからですし、地球規模でインターネットや宇宙開発において協力関係が成り立っているのはトラストがあるからです。
現在、私達の世界ではこのトラストを機関(Institution)が担保していることで商業活動が成り立たっています。言い方を変えれば法人や政府、学校や教会にトラストがあるからお互いを知らない2者間で取引をすることができます。食材を誰が作ったのか、誰が運んだのかに気を使わずにココスでご飯が食べれるわけです。このモデルは極めて合理的かつ効率的でグローバルな環境で協力の規模を拡大させました。
ブロックチェーンではこの文脈でよくトラストレスという言葉を聞きます。皆さんも聞いたことがあるかもしれません。これは決してトラストが無くなったのではなくトラストをする対象が機関(Institution)からBitcoinのようなプロトコルに移行したことを指します。なぜプロトコル側でトラストを保持できるのか?というと電子署名やハッシュを始めとする暗号学とインセンティブデザインの賜物ですが、これを話すと長くなるのでここでは割愛します。プロトコルにトラストがあるから機関に対するトラストレスな社会が実現できる。Ben Horowitzはこの文脈で(プロトコルに)トラストがあると言っています。
From Don't Be Evil to Can't Be Evil.
機関にトラストが集中するモデルでは社会を維持・発展させるには必然的に機関が「善」であるという前提が必要です。これはDon't Be Evil(邪悪になるな)の世界観です。
では、果たしてトラストを持っている機関は「善」なのでしょうか?私達は現在、機関が「善」であると言えないほど裏切られ続けています。
この記事を書いている今日、日本においても原発のデータを無断で書き換えたというニュースがありました。
そして、データが今後指数関数的に増え続けるに従って管理コストは上昇していくので今後さらに様々な問題が明るみにでることになると思います。
ここで言いたいのは機関の担保するトラストが限界に来ているということです。
これらの問題を経て私達が考えなければならないのはいかにしてCan't be evil.の世界観を創るかということです。
注意していただきたいのは、Can't Be Evil.というとき、「(あいつらが)邪悪になれないようにする」といった点で、視点が機関ではなく民衆だということです。
Web3.0
技術によって生まれた問題を如何にして技術で解決していくか。Webを如何にして本来Webがあるべき姿に持っていくかという点でWeb3.0が出てきます。Web3.0とはデータの「所有権」と「検証性」をユーザーの手に戻すWebです。それと同時に、思想的には個人に自由を取り戻すためのツールなのであり、バックエンドの革命です。
例えば、Web2.0では、HTTPというプロトコルが使われてきました。このプロトコルは、1つの会社や機関が管理するサーバーを中心としてクライアントがリクエストを送り、データを処理したサーバーからのレスポンスを受け取る仕組みです。検索をしてURLを見れば分かるように、ほとんどすべてのアプリケーションはHTTPに立脚して作成されています。ここでは、データを中央サーバーが管理するので、ユーザー側でデータを管理せずデータの使われ方も検証することができないという問題点があります。一方でWeb3.0では、HTTPを使ってきたアプリケーションではなく、P2Pプロトコルを用いた分散型サービスが提供されていくはずです。Peer間のメッセージは暗号化されデータは大企業のデータベースではなく個人が持つようになります。個人はデータを提供するのか提供しないのかを選択することができます。
そうすると、データがクラウドではなくデバイス側で管理され、サービスがデバイス側にきて計算を行ったりする未来もあるのかなと思ったりします。(ハード側の進化がすごく必要な気がしますが)
Stake Technologiesという会社はWeb3.0の世界を実現しに行く会社です。Web3の文脈においてこのムーブメントをリードしているWeb3 Foundationより現在、世界最多となる支援を受けており、グローバルの第一線で勝負をしにいきます。
日本からWeb3のど真ん中で議論し創り出す会社が必要であり我々がそうであれるように今後も頑張ります。
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