スターテイル・ラボ マスタープラン v2
2023年の2月にスターテイル・ラボのマスタープランを公開しました。
ここから解像度が上がってきたのでマスタープランのv2といったら大袈裟ですが、久々にブログを書こうと思います。
Web3のマスアダプションに向けて何が足りないのか?
我々が作りたいのは、「世界一スケーラブルなブロックチェーン!」「最先端技術がふんだんに使われた最も革新的なブロックチェーン!」とかではありません。「人々の日常生活の裏側で当たり前に使われているブロックチェーンです。」その時には今のインターネットで人々が物理レイヤーがとか、イーサネットがとかTCP/IPがとか言わずに皆さんがこのノートをみているように、ブロックチェーンの存在をユーザーは知らずにその技術の恩恵を受けているような世界になっていくんだと思います。もちろん我々は技術の会社なので、技術的な問題にチャレンジをしていきます。ただ、第一原則「人々が欲しいものを作る」という観点に立ち返って、①マスの人々が必要としないインベンション(発明)はやらない(例えばトランザクションコストを0.01円から0.001円にする研究とか)②車輪の再発明はしない(よい技術があるのであればそれを使う)というのを大切にしようと思っています。イノベーションとインベンション(発明)は違うと思います。我々は社会の変動を機敏に察知し、インベンションされた技術を使って世の中で使われるインフラを作り、ユーザーの行動変容を変えていく。インベンション(発明)の会社ではなく、イノベーションの会社です。「価値を生み出し日常を変える」のが我々の本分としたいと思います。この点で上手だなと思うのはテスラです。テスラがすごいなと思うのは電気自動車の製造だけではなく、その社会実装に関わる実行力です。これは例えば、EVチャージャーをアメリカ中に作りきることや、規制を作っていく実行力です。電気自動車の製造だけであればできる会社は多いと思うのですが、実際に物理的なインフラを作り、規制を含めたフレームワークと世論をデザインしていく力こそが本質的な強さだと思います。
ここまで話が長くなりましたが、Web3がなぜ日常生活で多くの人が使っていないのか?これはキラーユースケースが依然としてはっきりしておらず、Web3アプリケーションが使いづらいしわかりずらいからです。では、なぜこのような状況が生まれているのか?について考えている仮説が2つあります。
1つ目は垂直統合型web3スタートアップの不在です。
わかりやすくいうと、バンパーの専門家、エンジンの専門家、ボンネットの専門家はいるんだけど、車を作る専門家がほぼいないということです。Web3は下から雑に言って、ブロックチェーンレイヤー、ノードマネジメントレイヤー、インデックサーレイヤー、ウォレットレイヤー、アプリケーションレイヤーがあります。各ドメインにおいて専門家はおりそれぞれ一兆円プレーヤーになっています。水平分業においては問題ないのですが、垂直統合でサービスをもっている会社がほとんどいないので最終的に提供できるアプリケーションレベルでのサービスが十分に使いやすいものができないというのが現状だと認識しています。そのため、アプリが強く下のレイヤーの制約を受け、それを解決するリクエストをアプリ作成者が出してもリレー的に下のレイヤーの開発者に伝わり、それぞれにおいて別の事業プライオリティがあるので、一つのAPIを開発するのに数ヶ月かかるみたいな事態になっています。例えるなら世界一のボンネット、世界一のエンジン、世界一の部品を組み合わせても規格やサイズが違ったら世界一の車にはならないということです。どんなに優れたエンジン作っても優れた車を作らない限り人々はエンジンの恩恵を受けないわけです。
2つ目は、リアルアセットとオンチェーンをブリッジできる事業者の不足です。
Web3のマーケットキャップは100兆円くらいなのですが、既存金融のマーケットキャップは10京円とかです。約100倍くらいサイズが違います。既存金融のアセットをオンチェーンにもってくることができればよりマスアダプションに近づくことは間違いありません。これは実際に行うにはラインセンスとか規制の問題にあたるのでとても難しいですし時間がかかると思います。
スターテイル・ラボの戦略
上記を踏まえて、我々は次の5年で下のレイヤーから徐々に上のレイヤーを実装し垂直統合のスペシャリストになろうとしています。
また、こちらは一歩ずつですが、既存金融とWeb3をブリッジできるポジションを、資本提携や事業提携を通して確立していきます。
これを以下のタイムライン①1年以内に日本を代表する大企業と連携しWeb3インフラを開発しにいく。先日ソニーネットワークコミュニケーションズさんから5億円の資金調達を行い資本提携を実施するアナウンスを出しましたが、この動きに加速させていきます。②2年以内に垂直統合のインフラをSaaS形式で作成する。③4年以内に既存金融まで事業領域を拡大し、④5年以内に自社で作成した垂直統合のインフラと既存金融とのブリッジを使ってマスアダプションするような今までのweb3ではできなかったユースケースを作りに行く。ということをやっていきたいと思います。
ここまで約半年かなりステルスだったのですが、ここからどんどん全力発信してやっていきます。アジアNo1のWeb3会社を作るべく、エンジニアを積極的に採用しているので、TwitterのDMでもいいですし、info@startale.orgにお問合せいただければと思います。
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