教育社会学者の育休日記♯10 さらば里帰り、そして三人生活スタート

夜21:45、我が子がついさっき飲んだミルクを盛大にふきだした。それも鼻と口から。
慌てふためいて洋服を着替えさせて、汚れた服を手洗いしてる矢先にさらにもう一度。。。
本人は何食わぬ顔で穏やかに過ごしていることに胸を撫で下ろしたが、久々にバタバタした。

要因は、おそらく、一回前の授乳からの時間が極端に短かったこと。
いつもならそんなことは起こらないのだが、今日は勝手が違った。
今日から、妻と我が子と3人の生活がはじまっていたのだ。

産まれてから入院生活が通常より長引いた我が子は、退院後一瞬我が家に立ち寄りすぐに妻の実家へ。
それから実に3週間を妻の実家で過ごさせていただき、今日、我が家に帰ってきた。

その間は自分も妻の実家に住まわせてもらい、仕事もしながらの日常を過ごした。
自分にとっては、緊張感やら日常とのギャップやら、コミュニケーションの些細なズレやら、当たり前に発生するいろんなことで緩やかなストレスはあった。
加えて子育てをする時代の違いというものはどうやら大きいらしく、親世代のスタンダードと、我々世代のスタンダードが180度違う、ということはことあるごとに家の中で些細ないざこざを生んだ。例えば、抱っこ中の縦揺れ、例えばお白湯を飲ませる習慣、例えば寝かしつけの仕方、あげればキリがないが、過去これは絶対すべき!と言われていたことも、現代ではエビデンスを伴って大胆に否定され、真逆の方針となっていることが少なくない。おそらく、いまの正解も未来の不正解になるものは少なくないのだろうが、少なくともいまを生きる我々は、いまの正解を信じて過ごすしかない。そんなことからおそらく人並み程度かちょっとそれより大胆な親子喧嘩は目の当たりにしつつも、育児以外の家事のほぼ全てを行っていただくことで我々は育児に集中でき、妻は産後の身体を労ることができ、二人きりではない形で育児のスタートを支えていただいた。その結果、予定より一週間長い滞在ののち、我が家に我が子を連れてくることができた。


移動後のバタバタは前日から始まっていた。
妻は医療従事者ということもあり、普段から家の衛生面に対しては強いこだわりがある。それが我が子を迎え入れるのだから、思いはさらに強まる。
日頃家を汚くしているわけではないが、ホコリおよび水回りには細心の注意が向けられ、クーラーの内部や洗濯機の洗濯槽などにも気を配って大掃除が前日に行われた。
我が子を義母に見てもらいながら妻も午前中は参戦、午後は自分が一人で掃除。義母も医療従事者で、妻の実家のスタンダードに合わせられるだろうかという緊張感を抱えながら掃除を行い、ベビーベッドを組み立てた頃には夕方で汗だくになっていた。
我が家でただ過ごす、ということも、当然ながら赤ん坊が加わることで大いに変わるのだ。


そして今日、昼過ぎに我が子を迎え入れた。
久々の我が家、我が子との時間も純粋な気持ちでいられることにリラックスを感じ、なんだかうまくいくような感じがしていた。
夕方になり、妻が授乳してる間に夕飯の買い出しに行き、帰って料理をしてふたりで夕飯、その後妻が授乳してる間、食器などの片付け。
全てがうまくいってるように思えていたが、注意が散漫だったのか、眠りから覚めてウゴウゴしはじめた我が子を見て、特に何も考えずにミルクをあげてしまったのだ。
授乳時間をはじめ、おむつ効果、睡眠など諸々を記録するアプリを見れば、そのタイミングがあまりに早いことに気づけたはずだったのに。。。


我が家に帰っての3人生活。妻の実家生活に比べて格段にやるべきことは増える。
妻の最大の役割は我が子への授乳、これは誰も代われない。その他育児についても全精力を注いでくれている妻にとって次に大事なのは休養。食べて、休んで、次の授乳に備える必要がある。
そうなると、当然、自分の役割が純増する。

シンプルに、そのことに対応できなかったのだ。環境も変わってる。いつもあるものがない、どこに置いてあるのかわからない。探す時間に我が子はぐずる、悪循環。。。


とはいえ、今日は初日。
はじまったばかり!!
くじけず、またここから環境とペースを整えて、前向きに取り組んでいこう!

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