ボードゲームを考える:六華(リッカ)

はじめに

※この投稿はボードゲームに対する理解と解釈、頭の整理などを私なりに行い、いつの日かのボードゲーム製作に繋げるためにやっています。そのため、あくまでも私の感覚であり、既プレイ、未プレイを含め、想像的部分も多々あることをご了承ください。

六華(リッカ)

 今回、六華(リッカ)について考えたいと思います。

六華(リッカ)

 六華とは「アークライトゲームズ」さんから販売されているボードゲームであり、人気の伝統ゲーム、麻雀の「体験」をシンプルに再構築した、誰でも遊べる牌ゲームです。


ゲームのルール

※アークライトゲームズに掲載の原文まま

 ゲームは、プレイヤーがリッカ牌をそれぞれ5枚ずつ持った状態でスタートします。ここから、場の牌を1枚引いては1枚捨ててを繰り返し、手牌の6枚で「役」を完成させることを目指します。ゲームはスタP(スタートプレイヤー=最初に手番を行う人)の手番から始まり、時計回りの順に手番が移ります。

◆手番ですること
1.場の牌を1枚選んで引き、手牌に加えます。オモテ向きの牌を引いてもOKです
2.6枚になった手牌から不要な1枚を選び、捨てます(場にオモテ向きで置く)。
3.時計回りの順で、次の人に手番が移ります。

誰かが役を完成させるまで1~3をくり返します。


誰かが役を完成させたなら、ゲームは終了し、得点計算を行います。

1.役を完成させた人は、ストックから役とボーナスに応じた得点チップを取ります。
2.プレイヤーの中で、「ついでに完成」ができる人を確認します。ついでに完成ができる人とは、「あと1枚で役が完成する状態で、かつその必要な1枚が場にオモテ向きである」という人の事です。該当者は、「その1枚が手牌にあって役が完成した」ものとして、ストックから役とボーナスに応じた得点チップを取ります。
3.次のゲームを新しく始めます。

こうしてゲームをくり返し、誰かの得点が10点以上になる、もしくは全員がスタPを2回ずつ行ったら、ゲームは完全に終了します。もっとも得点が多い人が優勝です!

自分の中に落とし込む

今回のきっかけ

 もともと興味があって購入予定だったのですが、下調べと販売日に店頭まで足を運び、それでも買おうとしたときに手が止まってしまったので、それについての自己考察も含めて書いてみようと思った次第です。

結果から言うと私は購入しませんでした。今後、手元に置いておきたくなったらそのときにまた考えます。

では、なぜ手が止まったのか?

 いくつかの発売前(先行獲得者or体験者)レビューを拝見していくなか、世に出たからには賛否があるのは前提として、それでも気になる一言がありました。

「追加要素を含めて遊ぶならもう麻雀しようよ?」

oh…元も子もない言葉で驚きましたが「確かに…」と思う自分もいました。この一文だけだと誤解を招きそうですが、レビューの文脈としては先行購入者とその友人が遊んでいたみたいなんですが、いろいろと追加要素を含めていく内にその友人が言った言葉みたいなんです。

「麻雀の「体験」をシンプルに再構築した」という公式の説明文にどんな体験ができるのか楽しみで情報を集めていたのですが、なんというか腑に落ちた感じでした。

自己感覚

 はじめは麻雀よりもラミー(トランプ)に近いのかなと思っていました。場の裏向き牌に加え、表向き牌も含めて役をそろえていく過程はまさしくラミーに似ています。異なるところは裏向き牌を取った場合、表向き牌が増えていくところ。

このルールがあったからこそ麻雀と似て非なるものかなとも思ったのですが、そうではなく単純に役を作りやすく仕掛けみたいなのかなとも思いました。

ただ、一つ気になる部分がありまして、それが…

「ついでに完成」というルールです。

麻雀では相手の捨て牌などから「読み」を試みて立ち回りなどを考えたりしますが、このゲームでは捨て牌すら誰かの上がり牌になってしまいます。というのも、誰かが役を完成させてゲームが終了したとき、「あと1枚で役が完成する状態で、かつその必要な1枚が場にオモテ向きである」人も上がることができるからです。

…花火?

 これは個人の感想になってしまいますが、そもそも花火である必要があったのでしょうか?ということです。前作の「タイガー&ドラゴン」では究極のカンフー対決ということでイメージしやすかったので本作の「花火」にはどんなイメージがあるのかなと。

誤解をしないでほしいのですが、花火がどうこうというよりも、花火要素がよくわからないということです。もちろんイラストとしてはキレイで、触ったときの感触も唯一無二だろうとも思っています。なんならユニバーサルデザインといっても良いぐらいです。そのうえでなぜ花火なんだろう?とも思うわけです。

これまた今度は個人の想像になりますが、もともと麻雀ではなくドミノをモチーフにしたゲームだったのでは?とも思ったりします。それなら辻褄が合いやすく、ドミノ牌であることもわかる気がします。

ドミノゲームなら繋げて遊ぶ感じが花火の打ち上げ具合に似てるとも思うし、イメージにも当てはまりやすいですからね。

※2024/4/30追記

 デザインした方のインタビュー(?)記事を見つけて、視覚的に数をわかりやすくしようとした結果、「花火」を思いついたそう。花火に意味をのせようとしてたわけではなく「数」に焦点を当て、見て感覚的にわかるような工夫としての花火みたいです。

終わりに

 今回のゲーム、個人の感想になってしまいますが、麻雀の「体験」と言わずに花火(役)をいち早く完成させていくゲームです、と言ったほうが変に想像をしなかったのかなとも思います。私のように「ラミーっぽくない?」と別のゲームを想像する人もいたかもしれません。例えを固定することは良くも悪くもなので、今回は麻雀という言葉が一人歩きしてしまったようにも感じます。というよりラミーを基に作りましたと言ってたら、また異なった感想を持ったとも思います。

 つねづねゲームを作るって大変なんだろうなと思います。世に出す以上、さまざまな意見が飛び交うのは常というかなんというか…。私もこうして言いたいことをいっていますが、相手をリスペクトする気持ちだけは忘れずにいたいと思ってます。

2024/9/18追記
 ボードゲームに興味を持ってくれた知り合いにレビューサイトなどを紹介していたら、六華ってのことじゃないの?なのに何で花火?と聞かれ…「ホントだ…」と思ったのはここだけの話。笑

余談

公式の説明:役の種類(一色)にて
「下の数を1種類にそろえる。上の数はなんでもOK」

なぜ下と上が固定なんだろうと思いましたが、下はセット、上は連番を基本とすることで読み手側の理解がしやすい配慮なのか!?と考えたときに「素敵な配慮!」と思いましたね。

あと、役の種類について「ローカルルールを前提にしてる?」とも思いました。というのもあまりにも少ないので。

追加要素についての言及は購入者特典ともいえるので避けますが、そこに触れないローカルルール的なものも考えてみたのでよかったら参考までにしてみてください。

追加ルール

追加ルール①最初の1巡はオモテ向きの牌を引いてはいけない
備考:このゲームの面白さは表向きの牌が増えていくことだと思うので

追加ルール②ゲーム開始後(最初の手牌並べを除き)、手牌の上下反転禁止
備考:引いた牌の反転や手牌の入れ替えはOKなのでほど良い縛りになるかと

追加ルール③「ついでに完成」の場合、もらえる得点は半分(奇数切り捨て)
備考:黙聴が強すぎるので、(例:3点⇒1点、5点⇒2点、ボーナスは無し)

追加ルール④オモテ向きの牌を引くときには持ち点(1点)を場にプールする
備考:麻雀のリーチ棒のような役割、1番にあがった人が全てをもらう

追加ルール⑤10得点先取でなく、1巡制もしくは2巡制
備考:この場合、親に付加価値があるほうが盛り上がるかも
付加⇒自身が親のとき、役が完成できたら+3得点(ついでに完成は含まない)

2024/9/18追記

追加ルール⑥自身の捨て牌は「ついでに完成」の牌にはできない
備考:ただし同じ牌が相手の捨て牌にあるなら通常通り「ついでに完成」
※見やすいよう各プレイヤー捨て牌は自身の前に並べるなどの工夫は必要

追加ルール⑦自身の捨て牌は引くことができない
備考:ただし自身の捨て牌を相手が引き、相手の捨て牌となれば引ける

追加の役

追加の役①連番六色:1点
備考:上の数を連番(1~6)にそろえる。下の数は何でもOK

追加の役②転輝:7点
備考:上下で連番(1~6)をそろえる。上が1~6なら下は6~1となる

追加の役③花火:10点(他の役と重複しない)
備考:下の数を2、上の数を4、5、6でそろえる
   2の数を花火があがっていく様子に見立、456が花火となる