ボードゲームを考える:SCOUT!(スカウト)
はじめに
※この投稿はボードゲームに対する理解と解釈、頭の整理などを私なりに行い、いつの日かのボードゲーム製作に繋げるためにやっています。そのため、あくまでも私の感覚であり、既プレイ、未プレイを含め、想像的部分も多々あることをご了承ください。
SCOUT!(スカウト)
今回、SCOUT!(スカウト)について考えたいと思います。
SCOUT!(スカウト)
SCOUT!とは「ワンモアゲーム!」さんから販売されたカードゲームであり、ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品でもあります。
現在はオインクゲームズさんから国外向けの別装版と上記で紹介したワンモアゲーム!版の2種類が販売されています。
いま気づきましたが、ワンモアゲーム!版では「SCOUT!」で、オインクゲームズ版では「SCOUT」なんですね。(ビックリマーク「!」の有無)
ゲームのルール
※詳しくは調べるか実際に購入や体験してもらえればと思うので、ざっくり言います。
このゲームは配られたカードが手札になるのですが、順番やその向き(上下)は変えずに固定した状態でゲームを行います。どういうことかというと…
・順番
手札が「1/9/4/3/5」の五枚だったとき「1/3/4/5/9」と順番を入れ換えてはいけませんよ?ということ。
・その向き(上下)
カードの上半分と下半分で数字が変わります。「1(上)=6(下)」といった感じに全てのカードが上下で数字が変わるので、その向きを変えてはいけませんよ?ということ。
その固定された状態の手札でカードを出し合い、ときにこのゲームのタイトルでもある「SCOUT!(スカウト!)」を行うことで手札と場のカードを入れ換えながら大富豪のようなゲームをするのがこのゲーム。
自分の中に落とし込む
個人的に思うのはありそうでなかった発想。上下の反転によるカード効果の交換や順番の固定など、思いつきそうな感じはするけれど私の場合、人を信じることを前提としたルールを考えたり、思いついたりすることが難しかった。
というのも、私がこのゲームと出会ったときに1番最初に思ったのが「入れ換えや上下反転をやっていないという確証はどうやって得るのだろう?」だったから。
基本的にゲームって不正というかルールの穴はふさがれていることが多く、むしろそれらが無いってことはルール上の許容になっていることも少なくない。なので、ある意味不正し放題なゲームだよねとも思ったのが正直なところ。
そういう意味ではすごいゲームだと思ったのも事実で、プレイヤー側の良心というか、そういうことをしないのは暗黙のルールというか、ルールを守ることを前提としてゲームを成立させているその全てがまぶしいというか、清らかな世界というか。
純粋にゲームを楽しむということに焦点を当てて、それをみんなで楽しむという輪が「良い世界だなぁ」とも思った。
話が少しそれてしまったが、こういったルールもありなんだというのがある意味1番の個人的収穫。「ルールは守るもの」ということを前提において、良い意味で縛り過ぎないのは遊ぶ側のストレスも少なくて遊びやすいからね。
あとは「大富豪系ゲーム!」と言ったのもすごいなと思った。私の感覚では大富豪よりもラミー系のゲームに近いイメージなんだけど、知名度だったりルールだったり、知っている人が多い方が伝わりやすいのはもちろんなので、「こういう説明の仕方もあるんだ!」と、知ることができたのはよかった。
おわりに
私が購入をしたSCOUTはオインクゲームズ版で、最初はワンモアゲーム!版にする予定だったのですが、国外向けのデザインやテーマ、点数チップというところで学びも兼ねて悩みに悩んだ結果、オインクゲームズ版にしました。
作り手側の感覚次第で、デザインやテーマ、コンポーネントなど全然変わってくるので、原版が欲しい反面、ブラッシュアップ版も欲しい…みたいな感じでね。
あと、上記で言った「入れ換えや上下反転をやっていないという確証はどうやって得るのだろう?」ということに対してただ思うだけではなく、どうやったらその部分の解消ができるのかな?と、実は私なりに解決策を考えたりもしていました。
その結果、私の場合ならカードスタンドを使用するかたちをとるかな。ゲームの妨げにならないもの且つ、邪魔にもならないものを考えたとき、有っても無くてもよくて有ったら便利だなというところでカードスタンドが出てきましたね。
そうなると現状のサイズ(大きさ)で販売することは難しいので、ケース(箱)そのものを大きくするとなると今度はコンポ―ネントがなんだか物足りなくなる。
となると、国外向けではサーカスをテーマにしているので、サーカスをイメージできるカード置き場(スカウト場)のボード、スカウト&ショーの馬車型チップを木製コマに変更、ラウンド中や終了後の総得点を表す得点ボードなどいろいろ考えました。
ただ、そうなると今の手軽さや気軽さが無くなってしまうと同時に、ゲームそのものの印象も変わってしまう。その辺りを考え始めたら、やっぱり今のままが1番収まりがいいよなぁとも思いました。
ボードゲームはいろんな部分を考えて作られていると思うので、こういう考えを巡らせられるきっかけになったのはとても感謝しています。自分の中に様々な思考の経験を得られたのはよかったです。
SCOUT!(スカウト)はとても素敵なゲームですので、ぜひ!やったことがなければやってみてくださいね!