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そしておしゃべりは続く のこと

こんにちは。
「そしておしゃべりは続く」の進行を担当している、山川です。

5月末からPodcast番組「そしておしゃべりは続く」をスタートしました。メインは、もの書き・インタビュアーの尹雄大(ゆん・うんで)さん、フィールドワーカーで大学講師の古橋敬一(ふるはし・けいいち)さん、進行は かすがい市民文化財団の山川愛です。

↑良かったら、まず初回を聞いてみてください。
番組へのメッセージは life-stories@kasugai-bunka.jp まで。なんでも送ってみてください。


きっかけの一文

“ひとりで悩んで考えて固まっても、おもしろくない。思っていることを口にする=おしゃべりするというごく自然な動きがあって、考えも定まっていくんだと思う。”

これは、尹さんに「そのモヤモヤを晴らすヒントになる本」を選書していただいた際の一文です。気取らないふるまいがいいなと思いました。Podcastを始めたきっかけはいろいろあるのですが、今思えば、オンラインで定期的におしゃべりする場を作ってみようと思った、きっかけの一文かもしれません。
Session#00で尹さんと古橋さんも、そのきっかけについて少しだけおしゃべりしているので、聞いてみてください。


モヤモヤを聞く、話す

2023年の12月から、モヤモヤを話したり聞いたりするセッションを開催しています。数人で、対面で2~3時間行うものです。例えば、参加してくださった方が口にしてくださったモヤモヤは、こんな感じです。

#「一生懸命、わかりやすく喋ろうと努力しているけど、話が通じていない感覚がある」
#「話に付き合ってくれる人がいない、面倒臭いと思われそうで、ため込んでいる」
#「人の話をノイズとして受けてとめてしまうことがある。そんな自分でいいんだろうか」
#「自分の話をすることに罪悪感を感じる」
#「人前に出るとすごく緊張して、うまく喋れない。取り繕って生きている感じがする」

これらの問題が解決するわけではありませんが、みんなで聞いたり考えたり、そこからまた別の話が始まったり。開催するにあたって、尹さんが「ここは安全で安心な場所だから、何を話しても気にしなくていい」と仰ってくださったから、普段は口を閉じてしまうことも、おしゃべりできたのかもしれません。こうやってシェアできる時間と場は貴重だなと思いました。

参加した方からもらった声を少し紹介しますね。あくまでも事例です。

#「人それぞれに、いろいろな思いがあり、皆で受け止めて話し合う機会は初めてだったので、とても良かった」
#「みなさんの、なかなか聞けない話をきいて、自分もそうだなぁとか、いろいろ考えることができた」
#「ほかの人の話も聞けるし、自分が言いのこしたことがあってもアドバイスが聞けたりするから、とても良かった。めっちゃ楽しかった」


そのモヤモヤを晴らすヒントになる選書

対面でおしゃべりする時間も大切ですが、その場で口にできなかったことを一人で考えてみたり、改めて思い返す時間も必要だと思いました。会ったり、会わなかったり、また別の人とお話したり、自然な形で巡りあえるといいなあと思いました。
そこで、モヤモヤに参加した方に向けた限定の映像配信を3人で行ってみたり、尹さんに選書してもらったり、今度は古橋さんにモヤモヤセッションを行ってもらったりしています。

尹さんには、5冊の本と、1本の映画を選んでいただき、PDFで公開しました。公開しているのはこの6本なのですが、実はこれ以外に、4本の映画がありました。なかなか見る方法が無いことがわかったので外してしまったのですが、いつかPodcastか、こちらのnoteで触れていければと思っています。


尹雄大さんのこと

尹雄大さんについては、たくさんの著作があるので、そちらをぜひ読んでみてください。
ちなみに、Session#00で触れている、「その人の話をその人の話として聞く」ことについて、尹さんは著作の中で、下記のように書いています。

たいていの場合、人は相手の話を「その人の話」としてではなく、「自分の話」として聞きがちだ。自分の理解できる範囲の出来事を相手に見出しては「わかる」と言い、共感できないことはただちに「わからない」と判断する。わからなさを前にした途端、実際には口にしなくても、心の中で相手の話に対して「つまり・結局・要するに」を持ち出して解釈することに忙しい。その後に続くのは「だから良い・悪い」のジャッジだ。

(引用=尹雄大『聞くこと、話すこと。~人が本当のことを口にするとき』大和書房、2023年)

わかる、わからない、を口に出すことって難しいなあ、と思っていたので、この本を読んで、なるほどと思いました。名古屋の素敵な本屋ON READING
の黒田杏子さんから尹さんの講座をおすすめしてもらい、ご縁がつながりました。

《尹さん プロフィール》
神戸市生まれ。関西学院大学文学部哲学科卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て週刊誌記者を手始めに出版業界に関わる。現在はライターとインタビュアーとして活動。主な著書に『句点。に気をつけろ 「自分の言葉」を見失ったあなたへ』(光文社)、『聞くこと、話すこと。~人が本当のことを口にするとき』(大和書房)、『つながり過ぎないでいい』(亜紀書房)、『さよなら、男社会』(亜紀書房)、『異聞風土記』(晶文社)、『体の知性を取り戻す』(講談社現代新書)、共著『施設でくらす子どもたち』(明石書店)など。近年はコミュニケーションならびに文章に関する講座のほか、精神保健福祉士の研修や男女共同参画センター、公私立の中等、高等学校でコミュニケーションに関するワークショップや講演を行っている。

公式HP

古橋敬一さんのこと

古橋敬一さんは、現在は大学講師ですが、長くまちづくりに携われておられました。私のイメージでは、街の活性化というよりも、地味で息の長いささやかな活動。その一つに、地域のコミュニティを深く知るため「聞き書き」をやられてきたそうです。
そして最近、大学で新しい試みとして「Listen to The Voices ~一人ひとりの死をあつめて~」という文庫本を作られています。その本のデザイナーさんから「何かご一緒できるのでは?」と古橋さんをご紹介いただき、是非!と思いました。

《古橋さん プロフィール》
愛知県生まれ。愛知学泉短期大学専任講師。博士(経営学)。クリエイティブ・リンク・ナゴヤ理事。アラスカ留学にて先住民族の文化再生運動に多大な影響を受ける。帰国後、大学院にて商店街の活性化まちづくり、愛知万博におけるNGO/NPO出展プロジェクト、国内および東南アジアをフィールドにするワークキャンプのコーディネーター等の多岐にわたる活動に従事。2008年より名古屋市港区エリアの港まちづくり協議会事務局次長にて現場マネジメントに従事。2022年より、大学教員としての新境地に挑んでいる。人と社会とその関係に関心がある。

公式HP

Life Stories プロジェクトについて

このPodcast番組は、かすがい市民文化財団が行う事業「Life Stories プロジェクト」の一環として実施しています。


ここで行っている様々な活動も、また詳しくご紹介できればと思いますが、古橋敬一さんと進行を担当している山川の対談を掲載した「小さな物語からはじまる長いおはなし」という冊子はPDFでご覧いただけますので、お時間あるときにどうぞ。


「そしておしゃべりは続く」は、Spotifyなど各種プラットフォームで5、15、25日に配信予定です。ぜひ番組の登録をお願いします。

▼Spotify

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▼Amazon Music

▼X
更新情報などを発信中。

ちなみに、「そしておしゃべりは続く」のジングルは、名古屋を中心に活動するバンド、しょうにゅうどう(河合愼五さん、西本さゆりさん)の音楽をお借りしました。改めて、どこかでご紹介できればと思っています。

そしてnoteでは、そんなあれこれを更新していく予定です。こちらもどうぞよろしくお願いします。

(記:山川)



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