月刊そうすけvol.17
ー物の心を助けるーを社訓とする「古家具古道具そうすけ」
その名の通り店内には、愛情を持って丁寧に補修された古家具や古道具たちが並びます。
心を込めて、前の持ち主から新しい持ち主へのバトンタッチの役目を果たしたい。
一生付き合える古家具古道具との出会いがあることを願って…。
「古家具古道具そうすけ」で起こるあれこれを月一でお届けします。
今年も一年経ってしまいました、師走です。
急に冬めき、木枯らしが吹く今日この頃は暖かい部屋でホカホカのお茶やコーヒーや焼き芋なんかをいただいてほっこり過ごしたいですね。
そんな部屋にもそうすけの家具が似合います。
さて、今回は古家具古道具の細かい仕組みと仕様について店主米倉が説明します。
●主な観音開きの仕組みと戸の収まり方
・戸のストッパーについて
開き戸を開けると大体左の戸の側面の上下に棒の出し入れで止めるストッパーが付いており、その固定を外すことで開き戸が開閉できます。
開き戸を閉める際は、三角ゴンベというパーツでしっかりと戸が閉まり収まります。
これが主な観音開き戸の仕組みになります。
・もう一つのパターン
真鍮でできた丸ゴンベがストッパーになっていて、
さらに左戸裏側上下に原始的なストッパーがついていいます。
現代家具よりは単純な仕組みなので硬めだけど上げ下げして固定する形です。
・そうすけの後加工の場合
観音開きの戸で鍵がついていて使用不可の場合、
現代のマグネットタイプのストッパーを観音開きの上に追加して
固定するようにしています。
開いてこないよう、一手間つけて現代版に使いやすいようにしています。
●棚板が可変できる仕組みと棚受けの動かし方
①溝のところで棚受けを可変して、棚板の高さを変えられるパターン。
切り込みの数もそれぞれで昔の家具の画期的な仕組みです。
②棚受けを奥に押して手前に引いて外すタイプ(溝に収める)棚板の高さを可変します。
●戸のスライドの仕組み
溝が切ってありスライドするタイプ
レール使用のタイプ。
レールが釘で止めてあり、戸の方に滑車がついていて、レールの上を滑車がゴロゴロ動く仕組みです。
レールの使用は現代家具にあまりないので音が気になる人はいるかもしれませんが慣れれば気にならないそう。
※戸の上下の見分け方
溝が深い方が上、浅い方が下。どの引戸もこの仕組みです。
●開け方に困る「倹飩式」(ケンドン式)の開閉の仕方
引戸の脇に小さい戸がついてるのをケンドンと呼びます。
上にずらして外す単純な仕組みで、戻すときは上の溝にはめて下の溝にストンと収めます。デザイン的な理由や、作りやすさからできた仕組みかもしれません。
●引き出しの開け方(引き出しが開かないというお客さんが多いので)
必ず両手で前に水平に出します。
現代家具と違い、引き出しにレールがなく木がレールの役目をしているので、真っ直ぐ引くのがコツ。
片手で開けても開かないので両手で開けてあげるのが基本。単純な仕組みです。
●蛇腹のタンスの仕組み(珍しい)
戸が内側に収まる仕組み。
和紙に細い棒を貼り付けて蛇腹にしています。
華奢な作りなのでデリケートな作りを楽しんで。
蛇腹の仕組みが4箇所。他は蛇腹と同じデザインで統一しています。
動画でもまとめましたので、ご覧ください。
それでは皆様、良いお年をお過ごしください!
また来年も月刊そうすけをどうぞよろしくお願い致します。
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「古家具古道具そうすけ」
https://www.so-suke.com/
https://www.instagram.com/sosuke312/
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取材:合同会社ノスリ舎
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