月刊そうすけVol.19
ー物の心を助けるーを社訓とする「古家具古道具そうすけ」
その名の通り店内には、愛情を持って丁寧に補修された古家具や古道具たちが並びます。
心を込めて、前の持ち主から新しい持ち主へのバトンタッチの役目を果たしたい。
一生付き合える古家具古道具との出会いがあることを願って…。
ーみちのく いとしい仏たちー
店主米倉の事務デスクに、ある美術展の図録が置いてあり目を惹きました。
「みちのく いとしい仏たち」
東京ステーションギャラリーで2月12日まで開催中の展覧会です。
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202312_michinoku.html
青森・岩手・秋田の北東北のくらしのなかで、
人々の悩みや祈りに耳をかたむけてきた個性派ぞろいの木像約130点を紹介し、
日本の信仰のかたちについて考えるという展示。
江戸時代、寺院の本堂の形状や荘厳(しょうごん)が均一化され、
上方や江戸で造られた立派な仏像が日本各地の寺院でご本尊として祀られるようになったいっぽう、地方の村々では小さなお堂や祠などを拠り所として、素朴でユニークな仏像・神像が祀られました。
仏師でもない、大工や木地師(きじし)の手によるこれら民間仏は、
端正な顔立ちや姿のご本尊と違って、煌びやかな装飾はありません。
その彫りの拙さやぎこちなさは、単にユニークなだけではなく、厳しい風土を生きるみちのくの人々の心情を映した祈りのかたちそのものといえます。
たまたま、1月2日に我々月刊そうすけ取材スタッフもこの展示に訪れていました。
元旦に能登半島の震災が起き、誰しもなんとも言えぬ複雑な気持ちで過ごしていたことでしょう。
会場にたどり着くと、想像以上に多くの人が仏像たちをじっくりと眺めていました。
その空間には人々の祈りの想いが色こく漂っていて、なんとも優しい気持ちになりました。
素朴な仏像たちを眺めているとクスッとなったり、しみじみいいなと感じたり、とても愛おしく、しかしそこには、日々を送る人々の切実な祈りや想いを肌で感じることができます。
ールーツはみちのくー
屋号である「そうすけ」は、店主米倉の母方(旧姓進藤)の生家、
秋田県仙北市の屋号「惣助」から命名されているそうです。
冒頭に述べましたが、「惣助」の屋号のとおり、物の心を助けるを社訓としています。
店主米倉曰く、
ルーツである秋田、みちのく、その素朴さや愛おしさ、想いを大切にするような気質が今のそうすけの流儀に繋がっているのではと話します。
秋田出身の母親は昔からおもてなしの精神が強く、よく家にも様々な客人が集ったとか。そのおもてなしの精神をしっかりと受け継いでいるのでしょう。
ーそうすけの古家具たちの魅力ー
さて、みちのくの仏像たちと対峙したときに感じた、なんとも満ち足りた、安心感と充実感とも言える気持ち。
そこには素朴な人々の想いが素直に表現され、大切にされてきた経緯を感じることができます。
いつしか朽ちてしまったとしても、その想いは残っている。
それはそうすけの古家具たちが持つ佇まいと似通う魅力がありました。
どことなく共通点を感じた次第です。
ーイベント出店ー
そんなそうすけの古家具古道具たちが、この度、初めてお店外に出店しました。
神奈川県小田原市にある、旧松本剛吉別邸にて行われた「WINTER WONDRE MARKET」 というイベントにてゲスト出店ということで、小引き出しや照明、持ち帰りやすい小物の古道具を中心に並びました。
旧松本剛吉別邸は、明治の元勲・山縣有朋と親交の深かった明治期の政治家、松本剛吉が大正12年(1923年)頃に建築しました。
数寄屋風の主屋と別棟の茶室(雨香亭)・待合等が併せて残され、築山や水景を伴うみごとな庭園と相まって近代小田原の別邸文化を今の世に伝えています。
会場である剛吉別邸の建築探索とともに古家具を眺めるお客様の楽しそうな姿も印象的でした。
https://matsumoto-goukichi.com
ー接客して肌で感じたことー
月刊そうすけの取材スタッフである我々も実行委員として参加したこのイベント。
直接そうすけのお客様と接する機会がある!というのはとても貴重な体験でした。
Instagramなどの告知のおかげで、そうすけファンのお客様が、珍しいそうすけのイベント出店ということで興味を持ってきてくださり、何人かの方とお話することができました。
皆さん、口を揃えていうのは、まず丁寧な修復の素晴らしさについて、
そしてお値段の納得感。そしてやはり古家具チョイスのセンスについて。
ワクワクしながら吟味して、家具同士を積み重ねて使うイメージをしたり、
これはどのシチュエーションで使うか、など、とても楽しそうに買い物をされて行く姿を見ることができ、ほくほくした気持ちでした。
ーそうすけが愛される所以ー
みちのくの仏たちを通して、改めてそうすけのルーツを考え、
そうすけのお客様と直接話せる機会があったことで、
そうすけが愛される、リスペクトされる所以をしみじみ感じた、辰年初めの月なのでした。
ちなみに
東北地方の古い呼び方である「陸奥(みちのく)」とは、「陸の果て」という意味だそうで。
うーん、渋い…!
出典:美術展ナビ
https://artexhibition.jp/exhibitions/20231111-AEJ1692358/
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「古家具古道具そうすけ」
https://www.so-suke.com/
https://www.instagram.com/sosuke312/
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取材:合同会社ノスリ舎
https://www.instagram.com/nosuri_sha/
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