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【超便利】合同式で倍数判定を解説!

ある数字が何かで割り切れるかどうかを考えるとき、『倍数の判定』を上手く利用できると良いですね。

当たり前のものだと、下一桁が偶数なら「2の倍数」になりますし、下一桁が0または5だと「5の倍数」になります。

他にも、3や9、11、4、8の倍数判定もあります。今回はこれらの判定法を、合同式を用いて説明しようと思います。

なぜ合同式を使うかというと、シンプルに、わかりやすく記述することができて便利だからです。

合同式を知らない方は、以下の2つの記事を読んでください。ここに書かれた内容を元に説明していきます。

それでは参りましょう!

①3の倍数判定法

判定法としては、各桁の数字の和が3の倍数になっているかどうかでした。

ここでは、3桁の数で説明します(他の桁でも同様)。

3桁の数を100a+10b+cとします。
(ただし、0≦a, b, c≦9, a≠0)

ここで、10を3で割った余りは1なので、合同式を使うと以下のように表せます。

10 ≡ 1 (mod 3)

また、100や1000、10000などを3で割っても、余りは1です。合同式の積の性質(詳しくは『合同式の基礎②』)を使うと、以下のように表せるからです。

↓『』の部分で積の性質を利用

100 = 10×10  1×1 = 1 
→100≡1 (mod 3)

1000 = 10×10×10  1×1×1 = 1
→1000≡1 (mod 3)

10000 = 100×100  1×1 = 1
→10000≡1 (mod 3)

よって、

100×a≡1×a≡a
10×b≡1×b≡b

が成り立つので、

100a+10b+c ≡ a+b+c (mod 3)

となります。

これにより、

各桁の和であるa+b+cが3の倍数なら、元の数である100a+10b+cも3の倍数となることがわかります。

a+b+c ≡ 0 (mod 3) のとき、

100a+10b+c ≡ 0 (mod 3) となるからです。もちろん逆も成り立ちます。



ここでは、初心者もわかりやすいように回りくどく説明しました。以降は簡潔に説明します。

②9の倍数判定法

3桁の数を100a+10b+cとする。10≡1 (mod 9)であり、

100 = 10×10 ≡ 1 (mod 9)

よって、

100a+10b+c ≡ a+b+c (mod 9)

3の倍数と同様、各桁の和が9の倍数なら、元の数も9の倍数になります(他の桁でも同様)。

③4の倍数判定法

3桁の数を100a+10b+cとする。100≡0 (mod 4)より(100は4の倍数)、

100a+10b+c ≡ 10b+c (mod 4)

よって、下二桁が4の倍数なら、元の数も4の倍数となります(他の桁でも同様)。

例) 124, 508, 1832, 7000052は、下二桁が4の倍数になっているので、すべて4の倍数です。 

④8の倍数判定法

4桁の数を1000a+100b+10c+dとする。
(ただし、a≠0, 0≦a, b, c, d≦9)

1000≡0 (mod 8)より、

1000a+100b+10c+d≡100b+10c+d (mod 8)

よって、下三桁が8の倍数なら、元の数も8の倍数となります(他の桁でも同様)。

とはいえ、下三桁が8で割れるかどうかは自分で計算しないといけないので、少し面倒ですね…😅

⑤11の倍数判定

4桁の数を1000a+100b+10c+dとする。

10−(−1)=11より 10≡−1 (mod 11)であるから、

100 = 10×10 ≡ (−1)×(−1) = 1 (mod 11)
1000 = 100×10 ≡ 1×(−1) = −1 (mod 11)

(以降、10000, 100000は11を法として1, −1と合同になる。1と−1が交互に登場していることがポイント)

よって、

1000a+100b+10c+d≡−a+b−c+d (mod 11)

つまり、1の位の数字から交互に足し引きして、それが11の倍数になるとき、元の数も11の倍数になります。

尚、11の倍数かどうか判定するだけであれば、先頭のaから『a−b+c−d』を計算しても良いです。ただし、余りを計算する場合は1の桁の数字から計算しないといけません。

いかがでしたか?

多項式をそのまま使うと、

100a+10b+c = 3(33a+3b)+a+b+c

と変形したり、

1000a+100b+10c + d = 11(91a+9b+c)−a+b−c+d

と変形したりしないといけなくて面倒ですが、合同式を使えば

100a+10b+c ≡ a+b+c (mod 3)

とか

1000a+100b+10c+d≡−a+b−c+d (mod 11)

のようにシンプルに表せるので、単純明快ですね。

合同式は便利なので、使う機会があればぜひ活用してみてください!
(そもそも使う機会、あるかな…?😅)

素数はいつも、あなたのそばに。
Let's enjoy SOSU !

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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