精神病患者のための自然なコーチング?|「当事者研究」との邂逅
当事者研究と出会った。
わかりやすくいうと、これは社会モデルにおける究極の実践であり、
普通は御法度なのだが精神病患者への自然なコーチングにもなっている(プロセスはかなり似ている)。
初めて概念を学んだ時は「これだ!!」と本能で感じた。
というのも自分は以前、鬱病の方からコーチング依頼受けたことがある。コーチングの基本としては精神病患者に対してコーチングを行うことはよくないとされており、実施にコーチング会社の応募フォームには「精神疾患おある方はお受けできません」などと注意書きされているのを見たこともある。
相性が悪いのだろう。コーチングは己の原体験に辛抱強く向き合い、時に自分の弱さや醜さを直視しなければならず、また見つけた可能性に対して具体的な行動を通じて自己解像度を上げていくプロセスであり、精神疾患がある状態では体力的にも意思的にもどうしても無理がある場面がある。
だが当時の自分は、本当はダメなのだが、引き受けることにした。基本はダメかもしれないが、型にハマったコーチングをせず、その人にとっての自分との向き合い方を手助けでき流のではないかと思ったからだ。しかし正直結果から言うと、何をしても上手くいかなかった。
クライアントは予定しているmtgの半分以上を「調子が悪いから」とリスケするようになってしまった。
自分が引き受けたのが悪かったのか、コーチングがそもそも悪いのか、ハードルを無意識のうちに上げてしまっていたのか。ここまでうまくいかなかったことは初めてだったのでしばらくは思い悩んでしまっていた。
その際、頭の片隅では「いつか精神病のある方のためのコーチングを考えたい」と思っていた。精神病のある方は自分や他人との向き合い方について、がんじがらめになっている。ハードルを上げすぎることなく、負担とすることなく、コーチングの旨みを活かすことができたら、それは精神病院やカウンセリングにはできない回復のあり方になるだろうなと言う気はしていた。
けど、その答えが当事者研究にあった。
問題と自分を切り離し、研究対象として個別化する。
とことん遊びがあり知的で愛がある営み。
まさにずっと探し求めていた概念だった。
読むほど「その手があったか!」と腑に落ちて面白すぎる。
と言う話をしまくっていたら来月の障がい者デーに合わせた全社イベントでもWSさせてもらうことになった。
例年300名ほど参加されるらしいので頑張りたい。
強さを正しさとする組織で弱さを前提にした時間をつくりたい。