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コンピテンシー日記|『建設部門:施工計画、施工設備及び積算』技術士さんの日常


1. 現場を動かす力:コミュニケーションとリーダーシップの実践

 今日は、新しい大規模商業施設建設プロジェクトの kick-off ミーティングがありました。私は施工計画と積算を担当する技術士として、プロジェクトチームの中心的な役割を果たすことになります。

 朝一番のミーティングでは、様々な専門分野の技術者や協力会社の方々が一堂に会しました。ここでのコミュニケーション力とリーダーシップの発揮が、プロジェクトの成否を左右すると言っても過言ではありません。
 まず、全体の施工計画の概要を説明する際、専門用語を多用せず、図表を効果的に使用しながら、誰もが理解できるよう心がけました。質問や意見を積極的に促すことで、チーム全体の理解度を高めることができました。

 また、各部署の役割と責任を明確にし、コミュニケーションラインを確立することで、円滑な情報共有体制を構築しました。これは今後のプロジェクト進行において、問題の早期発見と迅速な対応を可能にする重要な基盤となります。

2. 数字で語る現場:評価とマネジメントの重要性

 午後は、積算業務に取り組みました。正確な積算は、プロジェクトの採算性を左右する重要な要素です。今回は、BIM(Building Information Modeling)を活用した積算手法を導入することで、より精度の高い数量拾いと原価管理を目指しています。

 評価とマネジメントの観点から、過去の類似プロジェクトのデータを分析し、コスト超過のリスク要因を特定しました。この分析結果を基に、現場での資材管理や労務費の最適化について、具体的な提案を行いました。

 数字に基づいた客観的な評価と、それを踏まえた的確なマネジメント判断は、技術士に求められる重要なコンピテンシーの一つです。今回の積算作業を通じて、このスキルをさらに磨くことができたと感じています。

3. 倫理観が導く決断:技術者倫理の実践

 夕方、協力会社から提案された新工法について検討する機会がありました。この工法は工期短縮とコスト削減が期待できる一方で、長期的な耐久性に若干の懸念がありました。

 ここで問われるのが技術者倫理です。短期的な利益を優先するか、それとも長期的な安全性と品質を重視するか。私は後者を選択し、チームに対して従来の工法を改良する方向での検討を提案しました。

 この決断には、技術士として持つべき高い倫理観と専門的知識が不可欠でした。プロジェクトの成功は重要ですが、それ以上に社会的責任を果たすことが技術士の使命であると再認識しました。

4. 学びに終わりなし:継続研さんの実践

 一日の業務を終えた後、夜は最新の建設技術に関するオンラインセミナーに参加しました。今回のテーマは「AI・IoTを活用した建設現場の生産性向上」でした。

 技術の進歩は目覚ましく、常に新しい知識やスキルを吸収し続けることが求められます。セミナーで得た知見を、明日からのプロジェクトマネジメントにどう活かせるか、具体的なアイデアをノートに書き留めました。

 継続的な学習と自己研鑽は、技術士として成長し続けるための原動力です。日々の業務に追われがちですが、このような機会を意識的に作ることで、専門性の向上と視野の拡大を図っています。

5. 今日の学びと受験生へのメッセージ

 今日一日を振り返り、技術士に求められるコンピテンシーの重要性を改めて実感しました。特に、コミュニケーション力と倫理観は、どんなに高度な専門知識や技術を持っていても、それらを適切に活用し、社会に貢献するために不可欠なスキルです。

 技術士試験の受験生の皆さんへ。試験勉強も大切ですが、日々の業務や経験を通じて、これらのコンピテンシーを意識的に磨いていくことが、真の技術士としての成長につながります。知識だけでなく、その知識をどう活かすか、どう判断するかという点にも注目して学習を進めてください。

 技術士としての道のりに終わりはありません。しかし、それこそが私たちの仕事の醍醐味であり、やりがいなのです。共に学び、成長し続けましょう。


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