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コンピテンシー日記|『建設部門:土質及び基礎』技術士さんの日常(その2)


1. 地盤災害リスク評価と地域防災への貢献

 今日は、地域の防災計画に関わる重要なプロジェクトに取り組んだ一日でした。近年、気候変動の影響で豪雨による土砂災害のリスクが高まっており、私たち土質及び基礎の技術士の役割がますます重要になっています。

1.1 コミュニケーションとリーダーシップの実践

 午前中、市役所の防災課や地元の自治会長との会議に参加しました。この会議の目的は、最新の地盤調査データに基づいて、地域のハザードマップを更新することでした。私の役割は、専門的な見地から地盤災害のリスクを説明し、関係者全員が理解できるように情報を伝えることでした。
 技術的な内容を非専門家に分かりやすく伝えるのは簡単ではありません。そこで、視覚的な資料を用意し、具体的な事例を交えながら説明しました。また、参加者からの質問に丁寧に答えることで、地域の安全に対する理解と協力を得ることができました。
 リーダーシップの観点からは、各関係者の意見を尊重しつつ、科学的な根拠に基づいた提案をすることで、会議を建設的な方向に導くよう心がけました。

1.2 評価とマネジメントの重要性

 午後は、収集した地盤データの分析と評価に時間を割きました。GIS(地理情報システム)を用いて、地質構造、地下水位、過去の災害履歴などの情報を統合し、地域全体の地盤災害リスクを評価しました。
 この作業では、膨大なデータを効率的に処理し、信頼性の高い評価結果を導き出すことが求められます。プロジェクト管理の観点からは、データ解析のタスクを適切にチームメンバーに分担し、全体のスケジュールを管理しました。
 評価結果に基づいて、優先的に対策が必要な地域を特定し、限られた予算の中で最も効果的な防災対策を提案することができました。

1.3 技術者倫理の実践

 地盤災害リスクの評価結果は、地域の土地利用計画や不動産価値にも影響を与える可能性があります。そのため、データの取り扱いや評価結果の公表には細心の注意を払う必要があります。
 今回のプロジェクトでは、科学的な事実に基づいた客観的な評価を行い、個人や特定の利益に偏らない公平な情報提供を心がけました。同時に、住民の不安を煽ることなく、適切な情報開示と防災教育の必要性を提言しました。
 技術者倫理の観点から、社会の安全と個人の権利のバランスを取ることの難しさを改めて実感しました。

1.4 継続研さんの必要性

 夕方、最新の地盤災害予測モデルに関するウェビナーに参加しました。AI技術の発展により、より精度の高い予測が可能になってきています。このような新技術を学び、実務に取り入れることで、より信頼性の高い防災計画の立案に貢献できると考えています。
 また、地域防災に関する他分野の専門家との意見交換も行いました。土木工学だけでなく、気象学や社会学など、多角的な視点を取り入れることの重要性を再認識しました。

2. 今日の学びと気づき

 今日の経験を通じて、技術士には高度な専門知識だけでなく、それを社会に還元する能力が求められることを強く感じました。特に防災という命に関わる分野では、正確な技術的判断と、それを分かりやすく伝えるコミュニケーション能力の両立が不可欠です。

 技術士試験受験生の皆さんへのアドバイスとしては、専門知識の習得はもちろんのこと、日頃から様々な立場の人々とコミュニケーションを取る機会を積極的に持つことをお勧めします。また、自分の専門分野以外の知識にも興味を持ち、幅広い視野を養うことが、将来の技術士としての活躍につながります。

 技術者としての責任の重さを感じつつも、社会の安全に貢献できることにやりがいを感じる一日となりました。これからも、技術の研鑽と倫理観の向上に努め、信頼される技術士として成長していきたいと思います。


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