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コンピテンシー日記|『建設部門:建設環境』技術士さんの日常(その3)


◆環境アセスメント現場からの学び|チームワークと技術の融合

 今日は、某工業団地開発における環境影響評価業務の中間報告会がありました。私は主任技術者として、生態系への影響評価を担当しています。この日記では、一日を通じて実践した技術士としてのコンピテンシーについて振り返ってみたいと思います。

①コミュニケーション・リーダーシップ

 朝一番で、若手技術者たちとの現地調査データの確認作業から始まりました。春季の動植物調査で得られたデータについて、種の同定に不安があるという相談を受けました。私は、過去の調査経験を活かしながら、同定の着眼点を具体的に説明。特に注目すべき指標種については、図鑑を用いながら、形態的特徴を丁寧に解説しました。
 若手の疑問に耳を傾けることで、チーム全体の技術力向上にもつながります。「分からないことは、その場で確認する」という姿勢を示すことで、開放的なコミュニケーション環境づくりを心がけています。

②評価・マネジメント

 午後の中間報告会では、事業者や行政担当者を前に、現在までの調査結果と今後の予測評価の方針について説明を行いました。特に注力したのは、希少種の生息状況と工事による影響の予測について。定量的なデータに基づく評価と、保全措置の具体的な提案を心がけました。
 事業者からは工程短縮の要望もありましたが、環境保全と事業効率の両立という観点から、適切な調査期間の確保の必要性を論理的に説明。結果として、双方が納得できる調査計画の修正案をまとめることができました。

③技術者倫理

 本日の重要な判断の一つが、猛禽類の営巣が確認された区域の取り扱いでした。事業計画では当該エリアを造成する予定でしたが、私は技術士として、科学的知見に基づく保全の必要性を強く主張。最終的に、営巣地を避けた計画変更を提案し、受け入れられました。
 技術者倫理として、「環境と開発の調和」という理念を具現化する場面であり、専門家としての責任を果たせたと考えています。

④継続研さん

 夕方には、日本生態学会が主催する在来生態系の保全に関するオンラインセミナーに参加。特に、河川生態系の連続性評価に関する最新の研究発表は、今後の業務に直接活かせる知見となりました。
 また、週末には環境DNA分析の実務講習会への参加を予定しています。新しい調査手法の習得は、技術者として不可欠だと考えています。

◆今日の学びと受験生の皆さんへ

 本日の経験を通じて、改めて感じたのは、技術士に求められる「総合的な判断力」の重要性です。専門知識はもちろんのこと、関係者との調整力、倫理的な判断力、そして常に学び続ける姿勢が必要不可欠です。

 受験生の皆さんへ
 試験勉強では、ぜひ実務経験を体系的に整理してください。日々の業務で直面する判断の場面を、コンピテンシーの観点から振り返ることで、技術士に必要な資質が自然と身についていきます。

 今日も一日、技術士としての責任と誇りを胸に、環境保全という使命を果たすべく尽力しました。明日はフィールド調査が控えています。新たな発見を楽しみに、今日の日記を締めくくりたいと思います。


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小泉士郎🎈&H|技術士(建設・総監部門)|R7筆記試験対策|セルフケア
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