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コンピテンシー日記|『建設部門・鋼構造及びコンクリート』技術士さんの日常(その4)


1. 現場での課題解決から学ぶ技術者としての成長

 今日は、都心部の大規模改修工事現場での出来事について綴りたいと思います。築30年を超える事務所ビルの耐震補強工事において、予期せぬ課題に直面し、チーム一丸となって解決に当たった一日でした。

2. 予期せぬ発見と迅速な対応

 午前中の定例現場巡回で、1階柱部の耐震補強箇所において、既存部材の劣化が想定以上に進行していることを発見しました。当初の補強計画では想定していなかった状況で、工程への影響も懸念されました。

1) コミュニケーション・リーダーシップ

 即座に現場監督、施工業者、構造設計担当者を招集し、対策会議を開催。各専門家の意見を丁寧に聞き取りながら、私が議論の方向性を整理していきました。特に、若手技術者からの「従来の補強方法に代わる新工法の採用」という提案には、積極的に耳を傾けました。

2) 評価・マネジメント

 現状の評価と対策案の検討において、以下の3点を重視しました。
  1. 構造安全性の確保
  2. 工期への影響の最小化
  3. コスト面での実現可能性
 補強範囲の再検討と工法の見直しを行い、午後には具体的な対策案を策定。発注者への説明資料も作成し、承認を得ることができました。

3) 技術者倫理

 対策の検討過程では、コスト削減圧力もありましたが、構造安全性を最優先する姿勢を崩さずに議論を進めました。特に、建築基準法や関連法規の遵守、さらには技術者としての良心に基づく判断を心がけました。

4) 継続研さん

 今回の課題に直面し、改めて既存建築物の維持管理における知識の重要性を実感。夕方には、日本建築防災協会の「既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・耐震改修設計指針・同解説」を読み返し、特に材料劣化への対処方法に関する部分を重点的に確認しました。

3. 今日の学びと受験生へのメッセージ

 本日の経験を通じて、技術士に求められる資質は、単なる専門知識だけでなく、問題解決能力とコミュニケーション能力の両立にあることを実感しました。

【受験生の皆さんへ】

 技術的な知識を深めることはもちろん大切ですが、日々の業務の中で「なぜそうするのか」「どうすれば更によくなるのか」を常に考える習慣をつけることが、技術士としての成長につながります。些細な現場での気づきも、必ず将来の糧となります。

 明日も、技術者としての矜持を持って業務に取り組んでいきたいと思います。


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小泉士郎&H|技術士(建設・総監部門)|口頭試験対策|セルフケア
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