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コンピテンシー日記|『建設部門・鋼構造及びコンクリート』技術士さんの日常


1. 橋梁点検から学ぶチームワークと技術の重要性

 今日は、市内にある老朽化した鋼橋の定期点検を行いました。この業務を通じて、技術士に求められる様々なコンピテンシーを実践する機会に恵まれました。

1) コミュニケーション・リーダーシップ

 朝のミーティングで、点検チームのメンバーに今日の作業内容と注意点を説明しました。特に、高所作業の安全確保と、腐食や亀裂の見逃しがないよう細心の注意を払うことを強調しました。チームの中には経験の浅い技術者もいたため、質問しやすい雰囲気づくりを心がけ、疑問点をその場で解決できるようにしました。
 点検作業中は、各メンバーの進捗状況を確認しながら、適宜アドバイスを行いました。特に、複雑な損傷パターンを発見した際には、チーム全体で観察し、議論する時間を設けました。これにより、若手技術者の経験値を上げると同時に、多角的な視点で損傷を評価することができました。

2) 評価・マネジメント

 点検結果の評価では、橋梁の健全度を正確に判定することが求められます。今回の点検で発見された主桁の腐食について、その程度と進行速度を慎重に評価しました。この評価結果は、今後の補修計画に直結するため、過去のデータと比較しながら、客観的かつ適切な判断を下すよう心がけました。
 また、点検作業の効率を上げるため、ドローンを使用した近接目視の代替手法を試験的に導入しました。この新技術の導入にあたっては、従来の方法との比較検証を行い、精度と効率性のバランスを考慮しながらマネジメントしました。

3) 技術者倫理

点検作業中、主桁の一部に想定以上の腐食が見つかりました。この発見を報告すると、補修工事の規模が大きくなり、予算や工期に影響が出る可能性がありました。しかし、公共の安全を第一に考え、発見した事実を隠すことなく正確に報告することを決断しました。この決断は、技術者倫理の根幹である「公衆の安全、健康、福利の最優先」という原則に基づいています。

4) 継続研さん

今回の点検で使用したドローン技術は、私にとって比較的新しい分野でした。そのため、事前に関連する論文や技術資料を読み込み、実際の運用方法について専門家から助言を受けました。また、点検後には、チーム内で新技術の効果と課題について討論会を開き、今後の改善点を洗い出しました。
 この経験を通じて、技術の進歩に追いつくためには、日々の学習と実践が不可欠だと再認識しました。特に、AIやIoTなどの新技術が建設分野にも急速に導入されている現在、継続的な自己研鑽の重要性を強く感じています。

2. 今日の学びと受験生へのアドバイス

 今日の経験から、技術士に求められるコンピテンシーは、単に知識や技術を持っているだけでなく、それらを実際の現場で適切に活用し、チームを導き、倫理的な判断を下す能力であることを改めて実感しました。
 技術士試験の受験生の皆さんへのアドバイスとしては、専門知識の習得はもちろんですが、日々の業務や経験を通じて、これらのコンピテンシーを意識的に磨いていくことが重要です。具体的には以下の通りです。

  1. 様々な立場の人とコミュニケーションを取る機会を積極的に作る

  2. 技術的な判断が求められる場面で、自分なりの評価と理由を考える習慣をつける

  3. 技術者倫理に関する事例研究を行い、自分ならどう判断するか考察する

  4. 新技術や業界動向に常にアンテナを張り、継続的に学習する

 これらの実践を通じて、技術士として必要な素養を身につけていってください。皆さんの成長と成功を心から応援しています。


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