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コンピテンシー日記|『建設部門:河川、砂防及び海岸・海洋』技術士さんの日常


1. 河川改修プロジェクトにおける多面的な技術士の役割

 今日は、私が携わっている河川改修プロジェクトの進捗会議がありました。このプロジェクトは、近年の豪雨による氾濫リスクを軽減するために、河川の拡幅と堤防の強化を行うものです。技術士として、私はプロジェクトの技術面だけでなく、様々な側面でリーダーシップを発揮し、チームをまとめる役割を担っています。

①コミュニケーション、リーダーシップ

 会議では、地元住民の方々との合意形成に関する課題が浮上しました。河川拡幅に伴う用地買収に対して、一部の住民から強い反対の声が上がっているのです。この状況に対処するため、私は地域コミュニティとの対話の場を設けることを提案しました。
 技術士として、専門知識を分かりやすく説明することはもちろん、住民の方々の不安や懸念に真摯に耳を傾けることの重要性を強調しました。また、若手技術者に対しては、地域との良好な関係構築が長期的なプロジェクトの成功につながることを説明し、コミュニケーション能力の向上を促しました。

②評価、マネジメント

 プロジェクトの進捗状況を評価する中で、工期の遅れが懸念される箇所が見つかりました。これに対し、私はクリティカルパス法(CPM)を用いて工程を再評価し、リソースの最適配分を提案しました。
 同時に、品質管理の観点から、新たに導入した環境に配慮した護岸工法の効果を定量的に評価する必要性を指摘しました。これにより、プロジェクトの環境面での付加価値を明確にし、地域住民への説明材料としても活用できると考えたのです。

③技術者倫理

 会議の中で、コスト削減のために一部の資材の品質を下げることを提案する声がありました。しかし、私は技術者倫理の観点から、安全性を犠牲にするような妥協は許されないことを強く主張しました。
 代替案として、新技術の導入によるコスト削減の可能性を探ることを提案し、チーム全体で技術革新と品質維持の両立を目指す方向性を示しました。この提案は、若手技術者たちにも技術者倫理の重要性を実感させる良い機会となりました。

④継続研さん

 会議後、私は最新の河川工学に関する論文を読み、特に気候変動を考慮した河川計画の在り方について学びました。また、来週予定されている土木学会のオンラインセミナーへの参加を若手技術者に呼びかけ、継続的な学習の重要性を伝えました。
 自身の知識をアップデートすることで、プロジェクトに最新の知見を取り入れられるだけでなく、チーム全体の技術力向上にも貢献できると考えています。

2. 今日の学びと受験生へのアドバイス

 今日の経験を通じて、技術士には単なる技術的知識だけでなく、多様なステークホルダーとのコミュニケーション能力、倫理観、そして常に学び続ける姿勢が求められることを改めて実感しました。

 技術士試験の受験生の皆さんへ。技術的な知識を深めることはもちろん重要ですが、それと同時に、実際のプロジェクトでどのようにその知識を活用し、課題解決につなげるかという視点を持つことが大切です。日々の業務や学習の中で、技術的側面だけでなく、社会的影響や倫理的な側面にも目を向けてみてください。

 また、継続的な学習の重要性を忘れないでください。技術士になった後も、常に新しい知識や技術を吸収し続けることが、プロフェッショナルとしての責務です。今日学んだことを明日の実践につなげる、そんなサイクルを意識しながら、日々の研鑽に励んでください。

 技術士として働く毎日は、新たな挑戦の連続です。しかし、その一つ一つが自身の成長につながり、社会に貢献する喜びを感じられる素晴らしい経験となります。皆さんも、この魅力的な世界に飛び込む準備を着実に進めてください。


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小泉士郎🎈&H|技術士(建設・総監部門)|R7筆記試験対策|セルフケア
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