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コンピテンシー日記|『船舶・海洋』技術士さんの日常
1. プロジェクト管理と技術者倫理の狭間で
今日は、新しい船舶設計プロジェクトのキックオフミーティングがありました。クライアントは、燃費効率を20%向上させた新型貨物船の設計を求めています。この挑戦的な目標に向けて、私たちチームは熱心に取り組んでいます。
1) コミュニケーションとリーダーシップの実践
ミーティングでは、各部署の代表者が集まり、それぞれの専門分野からアイデアを出し合いました。私は技術士として、全体の進行役を務めながら、各メンバーの意見を丁寧に聞き取り、建設的な議論を促しました。特に、推進システムの専門家と船体設計者の間で意見の相違があった際には、両者の立場を尊重しつつ、プロジェクトの目標に沿った解決策を提案することができました。
このプロセスを通じて、技術的な知識だけでなく、多様な意見を調整し、チームを一つの方向へ導くリーダーシップの重要性を再認識しました。また、専門用語を多用せず、わかりやすい言葉で説明することで、部署間のコミュニケーションがスムーズになることも実感しました。
2) 評価とマネジメントの実践
プロジェクトの成功には、適切な評価とマネジメントが不可欠です。今回のミーティングでは、燃費効率向上のための具体的な施策について、コスト、技術的実現性、安全性の観点から評価を行いました。例えば、新型の船体塗料の採用については、初期コストは高くなるものの、長期的な燃費改善効果が期待できると判断しました。
一方で、推進システムの大幅な変更案については、技術的なリスクが高いと評価し、段階的な導入を提案しました。このように、短期的な利益と長期的な持続可能性のバランスを取りながら、プロジェクト全体のマネジメントを行うことの重要性を再確認しました。
3) 技術者倫理の実践
プロジェクトの目標達成に向けて議論を重ねる中で、ある提案が技術者倫理に関わる問題を含んでいることに気づきました。具体的には、燃費効率を向上させるために、一部の安全基準をギリギリまで引き下げるという案でした。
この提案に対し、私は技術士としての倫理観に基づき、安全性を犠牲にしてまで効率を追求することの危険性を指摘しました。代替案として、最新のAI技術を活用した航路最適化システムの導入を提案し、安全性を維持しながら燃費効率を向上させる方法を示しました。
この経験を通じて、技術者は常に社会的責任を意識し、短期的な利益よりも長期的な安全性と持続可能性を優先すべきであることを、チーム全体で再確認できました。
4) 継続研鑽の実践
今回のプロジェクトでは、最新の船舶技術や環境規制に関する知識が不可欠でした。そのため、ミーティングの準備段階で、国際海事機関(IMO)の最新の環境規制や、先進的な船舶設計事例について、集中的に学習しました。
また、AIを活用した航路最適化システムについては、私自身の知識が不十分だったため、専門家のセミナーに参加し、理解を深めました。この継続的な学習姿勢が、ミーティングでの建設的な提案につながったと感じています。
2. 今日の学びと受験生へのアドバイス
今日の経験を通じて、技術士には高度な専門知識だけでなく、コミュニケーション能力、リーダーシップ、倫理観、そして常に学び続ける姿勢が求められることを改めて実感しました。
技術士試験の受験生の皆さんへのアドバイスとしては、日々の業務や学習の中で、これらのコンピテンシーを意識的に実践することをお勧めします。特に、技術的な課題に直面したとき、それを単なる技術問題として捉えるのではなく、社会的影響や倫理的側面も含めて多角的に分析する習慣をつけることが重要です。
また、自分の専門分野以外の知識も積極的に吸収し、幅広い視点で問題解決ができるよう心がけてください。技術士として活躍するためには、継続的な学習と実践が不可欠です。日々の小さな努力の積み重ねが、皆さんを真のプロフェッショナルへと導くはずです。
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