コンピテンシー日記|『建設部門:道路』技術士さんの日常
1. 道路設計プロジェクトにおける技術士の一日
今日は、新しい都市間高速道路の設計プロジェクトに関する重要な会議がありました。このプロジェクトは、環境への影響を最小限に抑えつつ、安全性と効率性を最大化することを目指しています。
①コミュニケーション、リーダーシップ
朝一番に、プロジェクトチームとのミーティングを開催しました。チーム内には、若手エンジニアから経験豊富な専門家まで様々なメンバーがいます。私は技術士として、各メンバーの意見を丁寧に聞き、建設的な議論を促進することに努めました。
特に、新しい道路線形の提案について、地形や地質の専門家と交通工学の専門家の間で意見の相違がありました。ここでは、両者の意見を尊重しつつ、プロジェクトの目的に沿った最適な解決策を見出すためのファシリテーションを行いました。
②評価、マネジメント
午後は、プロジェクトの進捗状況の評価と今後のスケジュール管理に時間を割きました。特に、環境影響評価(アセスメント)の結果を踏まえて、当初の設計案の一部修正が必要となりました。
この状況に対して、私はプロジェクトのリスク分析を行い、修正に伴う工期の延長と追加コストを最小限に抑えるための対策を検討しました。具体的には、並行作業の可能性や代替案の早期検討など、効率的なプロジェクト管理手法を提案しました。
③技術者倫理
環境影響評価の結果、計画路線上に希少種の生息地が確認されました。この情報を受け、私たちは技術者倫理に基づき、環境保護と道路建設の両立について真剣に議論しました。
単に法令遵守にとどまらず、地域社会や自然環境への長期的な影響を考慮し、最善の解決策を模索することが技術士の責務であると考えています。結果として、若干のコスト増を伴いますが、生態系に配慮したエコブリッジの設置を提案することにしました。
④継続研さん
夕方、最新の道路設計ソフトウェアに関するオンラインセミナーに参加しました。このソフトウェアは、AI技術を活用して最適な道路線形を提案する機能を持っています。
技術の進歩は目覚ましく、常に新しい知識やスキルを吸収することが重要です。このセミナーで学んだ内容は、明日のチームミーティングで共有し、プロジェクトに活かしていく予定です。
2. 今日の学びと受験生へのアドバイス
今日の経験を通じて、技術士には高度な専門知識だけでなく、多様な意見を調整し、倫理的な判断を下す能力が求められることを再認識しました。また、継続的な学習の重要性も痛感しました。
技術士試験の受験生の皆さんへ。試験対策は重要ですが、それ以上に日々の業務や経験を通じて、実践的なスキルを磨くことが大切です。特に、コミュニケーション能力や倫理観は、座学だけでは身につきません。積極的にプロジェクトに参加し、先輩技術者の姿勢や判断から学ぶことをお勧めします。
技術士は、単なる資格ではありません。社会の発展と安全に貢献する重要な役割を担う専門家です。その責任を常に意識し、自己研鑽に励むことが、真の技術士への道となるのです。