コンピテンシー日記|『建設部門:施工計画、施工設備及び積算』技術士さんの日常(その4)
◆ 現場での一日|緊急対応から学ぶチーム力と技術者の責任
今日は、都心部の大規模改修工事現場での出来事について共有したいと思います。午前中の定例会議を終えたところで、築30年のオフィスビル地下駐車場での漏水トラブルの一報が入りました。
①コミュニケーション、リーダーシップ
緊急事態に直面し、まず私が取った行動は、現場作業員、設備担当者、構造技術者という異なる専門性を持つメンバーを招集し、状況確認のための緊急ミーティングを開催することでした。各メンバーの知見を活かしながら、漏水の原因特定と対策立案を進めました。
特に心がけたのは、各専門家の意見を丁寧に聞き取り、それぞれの視点を尊重しながら、最適な解決策を導き出すことでした。技術的な議論だけでなく、施工中の安全確保や、近隣への影響についても細やかな配慮を行いました。
②評価、マネジメント
現場検証の結果、漏水の主な原因は経年による防水層の劣化と判明。補修工事の規模、工期、コストを総合的に評価し、段階的な改修計画を立案しました。
特に重視したのは、応急処置と恒久対策のバランスです。予算と工期の制約の中で、最適な工法を選定するため、複数の補修案についてLCC(ライフサイクルコスト)の観点から比較検討を行いました。
③技術者倫理
今回の事案で最も考慮したのは、利用者の安全確保です。漏水による構造物への影響度合いを慎重に評価し、利用制限の要否を判断しました。また、補修工事の提案に際しては、一時的な対症療法ではなく、建物の長期的な健全性を確保する視点から、発注者への説明を行いました。
④継続研さん
先月参加した土木学会主催の「劣化診断と補修技術」に関する講習会の知識が、今回の対応に大いに役立ちました。特に、非破壊検査技術の最新動向や、補修材料の選定基準について学んだことで、より適切な判断を下すことができました。
◆ 今日の学びと受験生へのメッセージ
今回の経験から、技術士に求められる重要な資質について、改めて考えさせられました。技術的な知識や判断力はもちろんのこと、関係者との円滑なコミュニケーション能力、リスクマネジメントの視点、そして何より技術者としての倫理観が不可欠です。
【受験生の皆さんへ】
技術士試験の準備において、ぜひ実務経験を振り返り、各コンピテンシーがどのように発揮されたかを具体的に整理してみてください。特に、技術的判断の根拠や、その判断が社会や環境に与える影響について、深く考察することが重要です。日々の業務の中で直面する課題こそが、最も価値のある学びの機会となることを忘れないでください。
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