そ/そ/そ 店主 岡山拓

そ/そ/そ の店主 岡山拓 1973年、兵庫県豊岡市生まれ。京都の大学で陶芸と美術を学…

そ/そ/そ 店主 岡山拓

そ/そ/そ の店主 岡山拓 1973年、兵庫県豊岡市生まれ。京都の大学で陶芸と美術を学び、関西を中心に展覧会を開催。現代美術の鑑賞教育をカフェで行い。美術ライターとして関西の雑誌を中心に活動もしました。2024年より伝統工芸出石焼の新たな展開として、白磁骨壷の製作を始めました。

最近の記事

哲学に関する短いノート

 「哲学とは」と問われてもなかなかに答えるのが難しいのですが、まずは言葉の成り立ちから。英語の「philosophy フィロソフィー」の語源は、ギリシア語の「philo 愛する」と「sophy知」からできています。つまり「知ることを愛する」。哲学も「学ぶことを愛する」の意なので、よい訳だと言えます。たぶん哲学という言葉は明治維新以後の造語でしょうから最近の言葉です。まあ私たちになじみがなくても当然です。哲学者といわれる人は「この世界はどういう仕組みなのか」という問いをともかく

    • 死を想へ

       「そ/そ/そ」店主、岡山拓と申します。  骨壷やお墓は、死のイメージがついています。そして、それを避けようとする気持ちも働きます。骨壷を作ることに関して、人の死で儲けようとしているという批判もあります。それ自体は否定しませんが、果たしてそれだけでしょうか。生を謳歌して、死を遠ざける価値観があります。死ぬなんて辛気臭いことは考えたくない。それは誰でもそうでしょう。「もう死にたい」とばかり話す友人は、私も嫌です。だけれども、その友人が死んでしまったら、私はなんでその話を聞いて

      • 初筆

         「そ/そ/そ」店主、岡山拓と申します。 私は、ずっと関西の美術界の片隅で生きてきました。美術系大学入学を機会に現代美術に傾倒し、90年代に作品を発表。その後に、世間の美術への理解や興味のアンバランスに問題意識を持ち、現代美術の鑑賞術を教える「トリ・スクール」という学校を京都・大阪のカフェではじめ、最終的には、神戸、西宮、奈良と広げることができました。こうした活動に興味を持った編集者から、雑誌ので文筆を勧められ、美術ライターとして活動もしました。特に専門としたのは美術館で、美