絵本は奥深い! 宮部みゆきさんが書いた絵本
ヨーレのクマー
宮部みゆきさん作 佐竹美保さんの絵
フィヨルドの町がとてもきれいに描かれ、表紙に惹かれ手に取ると、
宮部みゆきさんと佐竹美保さんのコンビの絵本。とても興味を惹かれました。
◇あらすじ◇
目に見えない存在が、フィヨルドの街を守ってくれています。
夜な夜な、森の中では、暴れる存在が出てきて、それをたった一人で阻止しているのが、目に見えないクマー。
あるとき、街を守るための戦いの中、クマーの大事な角が折れて負傷してしまう。
お父さんお母さんから、角を大切にと言われていたクマー。
その理由はね、目に見えない存在だったのが、姿がわかり、人にも見えてしまった。
水面にうつった姿をみて・・・
◇この絵本を読んで◇
町が大好きで、町を守ることを生きがいにしていたクマー。
大事な大事な角が折れてしまったときに、状況が変わります。
相手から向けられる敵意に、逃げまどい、
川にたどり着いた自分を見て、ただ、ただ、泣きました。
そして自らその町を去ることに
なんとも切ないんです。
クマーの優しさはね、敵意をむけられても誰にも怒りをぶつけませんでした。そして、自分がだいすきな街から、離れることを選んだの。
ラストの見解はどう感じますか。
私は、地中のなかから、見守ってくれていると信じたいな・・・
あれだけ敵意を向けた街の住人は、広場にクマーの銅像をたてました。
それを知ったら、クマーはどう感じるかしら・・・
読み終えて、もう一度表紙に戻った時、
表紙にクマーが隠れています。
それを見つけて、本来のクマー姿ではないかと思いました。
表紙をみると、ほっこりする。
フィヨルドの町がほんとうに美しく、大好きだったんだろうな。
町を守っていた。
姿形は、悪いものとおんなじ
心はとてもやさしく、勇敢
人は、姿で区別してしまった。
最後の一文は、胸にささりました。
クマーがしてきたことは、誰も知らないんです。
目に見えない存在に守られていると思うのか、
ただ、ただ、町を守ってくれたクマーにありがとうっていいたいなぁ。
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目に見えない存在をどうとらえるか
この絵本のイメージに、みんなのギャラリーから、Photo by spinel3さんのイラストを選びました。ありがとうございます。