醍醐山の醍醐味
前編「醍醐寺と上醍醐をぽれぽれ歩く」の続編
満開の桜、伽藍、庭園、仏像鑑賞を醍醐寺(下醍醐)で堪能したあと、午後3時過ぎにようやく辿り着いた登山口。麓に建つ女人堂で入山料(500円)を収めて醍醐寺開創の地である上醍醐へ。
もう少し平坦で歩き易い参道を想像していた身には少々キツ過ぎる急坂や長い石段が続く山道を歩くこと約1時間。
峠を過ぎ、少し坂道を下って平らな道になると上醍醐の境内に到着。
入り口の由緒書きに「醍醐山」の由来や「醍醐味」に関する記述があり、それらを短くまとめると『空海の孫弟子にあたる理源大師 聖宝がこの地に湧き出る水を見つけ、その清らかで美味しい水を「ああ醍醐味なる哉」と讃える言葉を残したことから、笠取山を改め、醍醐山と称せらるるに至った』そうで、醍醐寺発祥の霊泉として大切に守り継がれてきた水は今も湧いているそうです。
醍醐山と醍醐水にまつわる説明を読んでいると、上醍醐の各お堂の戸締りに来られた住職に「暗くなるので早めの下山を」と促され、慌ててさらに20分ほど登った山頂部に点在する薬師堂(国宝)、開山堂(重文)等を全て見終えたのが夕方5時。
山頂部(標高450m)に建つ伽藍を巡り終えた頃には参拝前に抱いていた醍醐寺のイメージがすっかり変わっており、桜の名所としての印象以上に山深い修験の寺として始まったことの方が色濃く記憶に刻み込まれました。和尚さんがおっしゃった通り、暗くなりだした山上の修験霊場から麓まで2.6㎞の下り坂は山伏になったつもりで一気に駆け下り、お借りした竹杖を返却。
帰宅後「醍醐」を調べると「牛乳を精製して仕上げた濃厚で甘みのある液汁、蘇(チーズ)を熟成させたもの、バターオイル、乳製品」等と書かれており、「醍醐味」は「五味の中で最高の美味」。そこから転じて「最高真理・尊い教え・涅槃・仏性そのもの」を表す仏教用語になり、旅の醍醐味、スポーツの醍醐味のように「物事の本当の良さ、面白さ、妙味」という意味に派生したことを知り、醍醐水は一体どんな味だったんだろうか、と想像が膨らみました。
醍醐水は飲めませんでしたが、醍醐寺の醍醐味を存分に味わった走山歩れぽれ。
お寺巡りや仏像鑑賞・日本庭園がお好きな方には下醍醐、本格的な山岳修行は無理だけど雰囲気を味わってみたい方には上醍醐がおススメですし、時間がある方は上・下の両醍醐を巡って色んなことを発見、体感していただきたい良いお寺でした。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
お礼に梵鐘をつかせていただきます。ゴーン、ゴォ~ンゴワァ~ン~
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