「目標の800ドル稼ぎました。」
靴磨き世界一周アジア編35日目
久々に手が震えた。
「予約ボタン」を押してから承認されるまで
スマホの画面がクルクル回ってる表示がされる。
たった1秒くらいの出来事。
その1秒は最近の中で最も長く感じた1秒だった。
私は先程、オーストラリア1のホテルと言われている
「クラウンタワーメルボルン」を予約した。
私が選んだ部屋の一泊の料金、、、739ドル。
#名古屋で一人暮らししてた時の家賃2ヶ月分やん
#シドニーから関空まで飛行機で帰れる値段やん
#10年履ける革靴一足買える値段やん
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
時を戻そう。
私は昨日フリンダーズ・ストリート駅
の前で路上靴磨きをしていた。
過去8回の路上靴磨きの合計金額は686ドル。
合計800ドルを稼いだら「クラウンタワーメルボルン」
に宿泊するというミッションを作っていた。
日中から路上靴磨きを開始しており、
夜までに8足ほど磨かせてもらっていた。
目標金額まで残り50ドルほど。
日も暮れて、かなり気温も下がっており、
こんな寒い日に立ち止まって靴磨きをお願い
してくる人はいなさそうなので、目標達成は
明日にお預けだなと思っていた。
その時、通りがかりの男性が5ドルを渡してきた。
「これで暖かい飲み物でも買いな。」
ハリウッド映画に出てきそうな激渋男性だった。
「ありがとうございます」と言ってその5ドル
をいただくと、その方のスニーカーが汚れている
ことに気づいた。
激渋男性は寄付のつもりで5ドルを渡したが、
私はその方の靴を代わりに磨かせてもらうよう
お願いした。
激渋男性
「いいよ、どーせまた汚れるし。」
総将
「いや、綺麗にした方がモテますよ。」
激渋男性
「仕方ねぇな」
#世界共通で見た目激渋男性はモテること最優先説
その方はバーのマネージャーをしており、
これからお店の様子を見に行く所だった。
徐々にスニーカーの白さが戻ってくるの
を見て「アメージング」と連呼していた。
真っ白になったスニーカーを履いて、
「本当にありがとう」と言って握手を求めてきた。
私は握手に応じると、手に何か渡された。
それを見てみると、50ドルだった。
「This is my up to you〔これが俺のお気持ち代だ〕」
と言って、去っていった。
#やり方が昔の俳優が女優に電話番号渡す時のやり口やん
#カッケェ
最後の最後に50ドルいただき、目標金額
だった合計800ドルを超えることができた。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
メルボルンで路上靴磨きをした回数9回。
靴磨き数62足。
いただいたお金の合計820ドル。
ついにやりました!
宣言した通り、800ドルをメルボルンで稼ぐ
ことができたので、「クラウンタワーメルボルン」
に泊まります。
この10日間メルボルンを足元から見ていた。
一番低いところからこの世界を見ていた。
明日は一番高いところからメルボルンを、
世界を見ているのだろう。
その時、何を考えているのか。
どう思うのか。
何を得るのか。
24時間後、私は知らない世界を知っているのだろう。
一つだけ、やりたいことがある。
クラウンタワーメルボルンに宿泊するような
方と膝と膝を突き合わせて話すこと。
何の仕事をしてるのか。
これまでどんな生き方をしてきたのか。
今後何をしたいのか。
その人の靴を磨きながら対話をしたい。
739ドルはゲームの参加費だ。
狩場はクラウンタワーメルボルンにある。
だから私は、酒も飲めないのに
「エグゼクティブスイート」の部屋を予約した。
なぜならここは「クラブラウンジ」が使えるからだ。
明日は大物を釣ってきます。
総スカンだったら笑ってやってください。