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「おばあちゃんのおまじない」

靴磨き世界一周アフリカ編162日目

エチオピアに入国した初日、時間も遅かったので
その日は国境の街である「モヤレ」で一泊した。



宿を探すためにぶらぶら歩いていると、
避難所のような、シートや石で作った家が
並んでる場所を見つけた。


強い風が吹いたら飛んでいってしまうのでは
ないかというほどの家が並んでたのだが、子ども
が私を見つけて手を振っていたので、その場所
へ入ってみることにした。


あっという間に子ども達に囲まれて、
何か話しかけてきてるが誰1人英語を
話せる子どもがいなくてコミュニケーション
を取れなかった。


そしたら1人のおばあちゃんが今にも壊れそう
な家から杖をついて出てきて、私に何か声をかけた。


多分だが、

「まぁゆっくりしてけや」

と言われた。
#多分


そこで靴磨きのジェスチャーをして、
おばあちゃんのサンダルを磨けないか
聞いてみた。


いつの間にか1人だけ英語を話せる
出来杉君のような子がいて、その子が
おばあちゃんに靴磨きのことを伝えてくれた。


おばあちゃんは了承して、サンダルを
脱いで私に手渡してくれた。


30人くらいの子どもに囲まれながら
おばあちゃんの靴を磨く。


これがエチオピアに来て記念すべき
1足目の靴か。


馬毛ブラシを持って、靴にブラッシング
しようとした瞬間に目を疑うような光景を見た。


おばあちゃんが杖を振り回していたのだ。


「近寄りすぎなんだよ!もっとスペースを開けろ!」


私は突然怒り出したのでびっくりしたが、
子ども達は笑ってたのでいつもの光景のようだ。


「お名前はなんていうんですか?」


「ア・ミナだよ」


とおばあちゃんが答えたら、子ども達は笑い、
おばあちゃんは杖を振り回して

「何笑っとんねん」

と威嚇する。


すごい気性の激しいおばあちゃんだ。


ただそんな彼女も今年で70歳で、このシェルター
のような、手作りの家に長年住んでいるそうだ。



「何かこの先夢はありますか?」


と質問して、出来杉君がおばあちゃんに
現地の言葉に通訳してくれた。


おばあちゃんは少し考えた後に、短い言葉
で何か言った。


そしたら周りの子ども達はウンウンと
頷いてるように見えた。


さっきまでおばあちゃんが質問に答える度に
ヘラヘラ笑ってたので、意外な反応だった。


「何て言ったの?」


と出来杉君に聞くと、


「あなたの旅がこの先も良い事に巡り合い
ますように」


と言ってくれたそうだ。


すごく心が暖かい気持ちになった。


サンダルを磨き終わったことを伝えると、
杖を持って、指をパチンと鳴らし、何か言った。


きっとおまじないのようなことを
唱えてくれたんだろう。


その時は周りの子ども達は爆笑していたが。。。
#もしくは最後に何か大ボケをかましたのかもしらん


みんなおばあちゃんのこと大好きなんだろうなぁ。


最初にあのおばあちゃんや子ども達と出会って
関わったからこそ、エチオピアの印象がすごく
良かったし、その後のいい巡り合いもおばあちゃん
が仕組んでくれたことなのかもしれない。


きっとまだあのおまじないの効果は
効いてると信じている。





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本日のVoicy〔ラジオ〕

「エチオピアって人口1億2千万人もいる」

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