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「ゾロ目の6が出た」

靴磨き世界一周ヨーロッパ編168日目

昨夜泊まらせてもらったトルコ人家族の方に
高速道路の入り口付近まで送っていただいた。


午前9時、バルケシルから300キロ離れた
パムッカレに向けて、ヒッチハイクを開始。


そう、現在トルコに来られている赤塚先生
に会うためだ。



朝早くからスタートできたので、うまくいけば
お昼過ぎにパムッカレに到着できる。


赤塚先生はパムッカレに日中は滞在されるが、
この日の宿がコンヤという、またパムッカレから
300キロほど遠い街に行かれる。


今日の日中パムッカレでお会いできなければ、
また遠くの街に追いかけないといけないので、
より厳しい移動をすることになる。


私は気合いを入れて、ヒッチハイクボード
を掲げるが、昨日に引き続き待機の時間が続く。
 

これはスランプなのか。
#ヒッチハイクにスランプとかないねん


11時前にようやく一台の車が止まってくれて、
ここから50キロほど進んだ街まで届けてくれた。


これまでのヒッチハイクの経験上、
いきなり最終目的地を書いても遠すぎて
乗せてもらえない傾向にある。


例えば大阪から名古屋に移動したいのなら、
いきなり「名古屋」と書くよりも、「京都方面」
と紙に書いて掲げた方が乗せてもらえる
可能性が高いのだ。


なので今回も、300キロ先の「パムッカレ」と
書くのではなく、100キロ先の「アクサヒル」
と紙に書いてヒッチハイクをしていたのだ。



この日一台目に乗せてもらった方は、
50キロ先の小さな街のバス停に到着すると、
「アクサヒル」までのバスチケットを購入し
てくれてた。


ヒッチハイク規範第82条によると、

「ドライバーからのご好意は受け取って良し。
ただし、それはこちら側の提案ではなく、
ドライバーからの意思に限る」

と書かれている。

#その規範どこにあんねん


「私はここまでしか送り届けれないけど、
アクサヒルまではこのバスで行ってくれ。」


とドライバーさんが言っていただき、私は
そのご好意をありがたく受け取ることにした。


だが、心の中で思った。


どーせバスチケットを買ってくれるなら
「パムッカレ」行を買ってほしかった!!
#こちら側の提案した後のご好意は受け取ってはいけない
#ヒッチハイク規範第82条
#ここテストに出ます


でも、いいんだ。


アクサヒルまで連れて行ってくれるだけ
ありがたいじゃないか!

アクサヒルまで送ってもらった方




バスの出発時間が少し遅れたこともあり、
アクサヒルに到着したのが15時前。


ここから赤塚先生のいるパムッカレまで
真っ直ぐいけても2時間。


しかし、到着する頃には赤塚先生はコンヤという
また300キロ先の街に向けて出発されている。


今日も間に合わなかった。


私はアクサヒルで天を仰いだ。



赤塚先生と連絡を取り合い、今の状況を共有した。


今の状況だと、今日中にパムッカレに到着して、
明日コンヤに向けて移動を試みても、赤塚先生
はまたそこから300キロ離れたカッパドキア
に移動される。


最終的にここから800キロ先の「カッパドキア」
でお会いする約束をした。


800キロって、神奈川から青森くらいの距離だ。


お〜い、これ豊臣秀吉でも3日で行くのキツいやろ!
#中国大返し


でも、私はヒッチハイクはサイコロ
振ってるのと同じだと思っている。


次のシャッフルで6のゾロ目が出るかもしれない。


諦めるのはまだ早い。


私はまずは200キロ先のパムッカレに
向けてヒッチハイクをリスタートした。


何度も降ったサイコロの目は、スカしてばっかりだ。


時刻は18時を回り、日も落ちてきた。


今日は野宿だなぁ。


すると、1時間ほど前に私のことを心配して話し
かけてきた女性が、再びやってきた。


今度はスマホで誰かに電話しながらこちらに
向かってきている。


その女性は私にスマホを手渡して、電話に
出るよう言ってきた。


私は耳にそのスマホを当てると、

「もしもし」

と日本語で話してくる男性の声が聞こえた。


「先ほど私の友達から状況を聞きました。

ヒッチハイクでパムッカレに行きたいそうですね。

私に考えがあります。」


彼はアキーフさんというトルコ人で、20年近く
日本に住まれており、日本語が話せる方だった。


アキーフさんから驚くべきオファーをいただいた。



パムッカレまでのバス代は私が持つから、 
ヒッチハイクをやめてバスで行かないか?


#ヒッチハイク規範第82条


私はありがたくそのオファーを
受け取らせていただくことにした。


奇跡が起きた!


ただ、それだけではなかった。


このアキーフさんとの出会いこそが、
6のゾロ目だった。

アキーフさんと最初に話しかけてけれた女性



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