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映画『Beyond Together』を観て感じた、マリノスファミリーの力(ネタバレ有)

「マリノス初心者でも楽しめるし、むしろマリノスのことがわかるから良いかも!」とオススメされたのが、マリノスのドキュメンタリー映画『Beyond Together』。

「まだ選手の名前と背番号、覚えきってないけど大丈夫かな……」
映画館に行くまでの移動は、選手一覧を見返しつつ、不安になりつつ。

結果、泣いてしまったし、感動したし、マリノスのことが好きになった。

「去年の優勝チーム」くらいの歴史的情報しか持ってなかっただけに、「ああ、マリノスは去年、楽々と優勝を勝ち取ったわけじゃ無かったのか」ということを良い意味で思い知らされた。

私は、まだまだ雰囲気サポーターなのだけど、この映画を観てから改めて観る試合は、またちょっと違ってみえる気がする。そのくらい、マリノスというチームの歴史や勝利の重さ、マリノスファミリーの思いを感じられた映画だった。

今回は、映画を観て感じた「マリノス"ファミリー"」の強さの理由や、ある種の神聖さみたいな部分について書き留めていこうと思う。

※この先、ネタバレがありますのでご注意ください※

マリノスに関わる全員がファミリーであるというプロ意識

サッカー観戦をするにあたって、サッカー選手以外の人たちって、普段接する機会がないと思う。

でも、今回の映画では沢山の選手周辺の人が出てくる。

監督やコーチはもちろん、横浜マリノス株式会社の社長をはじめ、マーケティングの人、広報の人、チケットやスタジアム運営の人、営業の人、元選手の人。ジュニアユースのコーチ、担架の人、カメラの人、選手が使うユニフォームやスパイクを整備する人(ホペイロって役職らしい)、そして沢山のサポーターさんたちと、コールリーダー。

普段は裏方に徹しているような人たちが、全員出てくる。

「選手の靴が綺麗でも、スタッフの靴が汚かったら、かっこ悪いじゃないですか」
セリフはうろ覚え①

そういって、選手の用具整備に合わせて、スタッフの用具もピカピカにするホペイロさん。スタジアムのベンチを1席ずつ、夏の猛暑の中で手で拭き上げていくスタッフさんたち。

選手か選手じゃないかに関係なく、「自分がマリノスをつくっているんだ」という意志を感じた。

こういう1つずつを妥協なくやる姿勢って、プロ以外の何者でもない。
そんな一人ひとりの気持ちがあったからこそ、優勝を掴むことができたんじゃないかなって思う。

個性ある選手たち、それぞれ魅力

お父さんがマリノスで活躍していた選手だった、水沼宏太選手
マリノスへの思い入れと、マリノスでのプロ入り後に続いた移籍遍歴を経て、20年にマリノスへ帰ってきて活躍している今までの歴史。

小学生の頃からマリノスのチームに入って、生え抜きで現在のキャプテンを務めるジュニアチームの憧れ。チームのため、積年の思いを果たすために行動できる、喜田拓也選手

逆境の中で起用されても決め込む、得点力とひたむきさ。ちょっとあどけなさもあるなと思っていたら年下だった、日本代表としても活躍中の西村拓真選手

相次ぐ怪我で心が折れそうなとき、選手やスタッフさん、サポーターのみんなからの愛を受け取って、今の自分にできることを考えて奔走する、宮市亮選手

その他にも沢山の選手が出てきて、選手同士の絡みもあって。まだほんの少ししか触れていない私でも、ドラマを感じることができて。

マリノスは「個人戦」ではなく、「団体戦」で勝ってきたチームなのだと改めて実感した。

サポーターだって、選手と対等でいい

負けてしまった試合のとき。その悔しさを、サポーターから選手にぶつける場面があった。それはきっと、サポーターにとっても選手にとっても、相当つらい局面だったのだとは思う。

でもその一方で、生身の人間同士、真剣にやってる者同士だから、ぶつかり合うことだってあると思うんだよね。
それをネットでも陰でもなく、本人たちに直接言えることって、すごいことだなと思った。(なんでもかんでも言うのは違うと思うけど)

そんなつらい低迷期の中、予告編冒頭で流れているのが、クライマックスに向けての重要なシーン。

予告を観てたときは「誰が喋ってるんだろう?」って疑問だったけど、サポーターの人(コールリーダー)だった。

このとき、サポーターのみんなが歌った「最高の場所へ」が、選手たちにもめちゃくちゃ響いてたんだよっていう描写が素敵すぎて泣いた。
(ネタバレが過ぎるので詳細は控えておくけどすごくよかった。。)

サポーターは、選手やチームに心を動かされている。
選手は、サポーターやチームに心を動かされている。

これまで私のイメージする「選手とサポーター」って、あくまでも「選手>ファン」の関係性みたいな。「選手様」みたいな印象を勝手に持っていたから、お互いに対等な相手なんだなってことに感動したし、応援の声ってちゃんと届くもんなんだなってことにも感動した。

自分の心と向き合い、アップデートしていく強さ

もう一つ。前監督がある選手にかけた言葉が印象に残った。

「ただボールを追いかけているのが楽しかった頃、その頃みたいにサッカーを楽しむ気持ちを忘れずに持ち続けて」
セリフはうろ覚え②

そう、サッカー選手だって職業なんだよね。

ずっと仕事をしていたら、いくら好きなものでもやりたかったことでも、上手くいかない時期とか、思うように運ばないことだって出てくるはず。

その結果、サッカーを楽しめなくなったり、嫌いになってしまったりすることってある人にはある話だと思う。

それを、ずっと変わらずに初心の気持ちを持ち続けるってことは、変わらないために変わり続けてるってことなのかなって。

常に新鮮な気持ちでプレイするために、過去の自分をどんどん脱ぎ捨てて生まれ変わっていく感じ。
だけど、それって自分にとって痛みを伴うことでもあるから、生半可な気持ちではできないというか。相応の強さと意志が必要なことだよなと思う。

こうやって日々、自分の心と向き合って、アップデートしていけるって純粋にすごい。

例えば、それを自分に置き換えたら?
常に初心を忘れずに働けているだろうか‥‥なんて、ハッとさせられたエピソードだった。

どこを取っても手を抜かない、それがマリノス

選手も、選手以外も。ありとあらゆるマリノスに関わる人たちが、本当に真剣に一つ一つに取り組んでいる。

試合前だって、スタッフさん達は笑顔で話してくれているけど、その裏には気迫を感じるくらいの準備シーンがある。

そして忘れちゃいけないのが、こういう映像作品を作ってくださった製作者のみなさんの熱量とか、全部撮影OKにしたマリノス側の粋さ。(エンドロールに、流れてくるTwitterで知り合ったお名前もチラホラあって、それにも感動した。)

どこを取っても手を抜かない、それがマリノス。
そう気づかせてもらったのが、この『Beyond Together』だった。

私はサッカーのことも、マリノスのことも、選手のことも、まだまだ詳しくないけれど。映画を通して、マリノスの流儀に共感したし、選手をもっと身近に感じられるようになった気がする。

これからは、この気持ちを胸に、マリノスの応援をしていきたいと思います。

そして、社内のまだ映画を観てない人たちにも全力で布教していこうと思います!笑

ではまた!

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