いずも型護衛艦

空母じゃありません護衛艦です

というネタを言う人がいますが、厳に慎むべきだと申し上げておきます。この文句の問題は、「やっぱり日本政府は呼称によって空母だという事実を否定し誤魔化しているんだ」という印象を与えることです。実際、「そう判断してしまう素人を揶揄するネタ」なのですが、正確な意味はほぼ伝わらず「ミリオタもあれは空母だと認めてる」という風に伝わっちゃってることが殆どです。一般人、ちゃんと話きかないですからね。

空母と単に言う場合、専門的に知らない人が多いので空母=正規空母のことだと思ってる人が多いです。正規空母じゃないという意味では、間違いなくいずも型は空母ではありません。むしろ、どちらかと言えば「強襲揚陸艦」に近いです。強襲揚陸艦でF-35Bを運用しているところもありますからね。この艦種も一般に余り知られておらず、強襲揚陸艦と呼べる装備がないのでやっぱり「軽空母」と呼称するのが便宜上ではあれ、無難なのかもしれません。

法的には

日本では他国を攻略する「攻略装備」は違法です。具体的には戦略爆撃機、核ミサイル、攻撃型原潜、正規空母などです。ではいずも型はというと、セーフです。正規空母ではありませんからね。正規空母がNGなのは、「最前線の戦略基地として機能し、他国のいち地域を制圧するための有効な手段になる」からです。いずも型は、雑に言えば「短期作戦能力しかない」ので攻略装備には当たりません。

問題となったF-35Bの搭載ですが、F-35Bは局地防衛用に特化したため、戦闘機としては性能が低いです。具体的には、「航続距離が致命的にない」のです。これが、艦載機として採用された理由です。F-35Bを何機も搭載したところで、いずも型は短期的かつ限定的な作戦能力しか獲得できないのです。飽くまで「離島防衛用に特化した」仕様でしかありません。

何のための法で、何のための装備か

事実に関する様々な条件を勘案すれば、いずも型が不正かつ違法な装備であるという言い掛かりはただの強弁でしかありません。いずも型を10隻に増やすとなれば、さすがに非難も仕方ないと思います。しかし、4隻ぐらいまでならまだ弁護の余地は十分です。現実的に考えれば、6隻まで増えてもおかしくない話ではあります。6隻あると、輸送能力が大幅にあがり、周辺海域に対して十分な圧力を加えることができるようになります。飽くまで「有事になれば日本は実力で防衛する」という覚悟が伝わらないと意味がないですけどね。

いずも型に対する非難はなぜ起きるのか?

主な発信源は、日本に敵対的な野党と、共闘しているメディアです。彼らは「中国に従属している」ので、日本に防衛させないよう世論を誘導します。無知な人々の印象や認識をちょっと誤らせるだけで、日本を丸裸にして中国に献上してしまうことができます。これを助ける人は誰もいません。自殺行為も主権の範囲で自己責任であり、誰も日本を救わなければならない義理はないのです。

いずも型は結局何なのか?

現在のかがは、離島防衛用警備艦と呼ぶのが最も妥当かと思います。離島に敵部隊が侵攻した場合、真っ先に警戒行動に出て情報を収集、陸上部隊を出撃させ、F-35Bで統合作戦をかけて奪還するというものです。現在、離島は中国の足掛かりとして攻略対象になっています。離島に前線基地をつくられてしまうと極めて厄介です。そこに中距離ミサイルを撃てる車両を持ち込み、陸上部隊の上陸を支援し、そこを突破口に本土攻略することもできるようになります。そのような有事に至る前に、何が何でも短期に離島奪還を果たさなければなりません。そのためにF-35Bを調達したのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?