なぜキャンプ場でゴミの引き取りをして貰えないのか
はじめに
よく、キャンプ場でゴミを引き取りしていただけます。
利用者にとって、ありがたいサービスですよね😃
キャンプ中にはゴミが沢山出てきます。
生ゴミもそうなんですが、ペットボトルや缶、肉のトレイなんかは場所を取りますし、持って帰るのも面倒です😔
もちろん、引き取りして頂けないなら、ポイ捨ては論外のため、持って帰るしか無いのですが、何故ゴミを引き取って貰えないキャンプ場があるのか?
他のゴミと一緒に、ゴミの日に捨てるだけじゃないのか?ケチ臭いよな😩
そう思ったことはありませんか?
その点について、一応、廃棄物処理で講師をしたこともある私が、なんちゃって解説させて頂きます😤
なお、今回のお話はあくまで個人的解釈です。また、自治体により法解釈が結構異なりますので、悪しからず。(一応逃げは打っとくスタンス😔)
ゴミの種類
さて、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」って皆さんご存知でしょうか?
略して廃掃法。ゴミの処理に関する法律です。
この廃掃法は年数を重ねて法改正を続けたせいか、「え?ソレ無理やん?どーすんの?😥」的な内容が多々あり、それを補うための政府からの通知や判例も沢山あるため、落とし穴やグレーゾーン、矛盾があちらこちらにある、法理論に不慣れな人が手を出すと、大火傷違いなしの複雑怪奇な仕上がりとなっております😔
さて、この廃掃法において、特殊な管理が必要なものを除くと、ゴミは、大きく分けて三種類に分類されます。
まず、皆さんが家庭から出す「家庭系一般廃棄物」。
燃えるゴミやら、資源ゴミやらの家庭から出てくるゴミは、近所のゴミステーションに出して、自治体が持って行ってくれますよね。
あれは全部「家庭系一般廃棄物」です。
粗大ゴミも出し方は違いますが、コレも家庭系一般廃棄物です😆
それに対して、仕事の結果出たゴミ。
これは事業系ゴミと呼ばれ、「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物(以後、産廃)」に別れます。
今回話題とする、キャンプ場から出てくる肉のトレイや空き缶等は、普通に処理すると「産廃」と呼ばれる分類となります。
「産廃」と聞くと、なんか公害の元になりそうな、環境破壊とセットで捉える方も多いのですが、業務(仕事)で出たゴミで、法律で規定する一定の種別のものが「産廃」と呼ばれます。
とくに産廃の種別でメジャーなのが、「廃プラスチック類」と「金属くず」。
「廃プラスチック類」は、例外はあるものの、固形の石油製品の多くが当たり、トレイや、ペットボトルはコレに当たります。
「金属くず」は、空き缶やBBQの網、ガス缶とかですね😃
つまり、コレらのものをキャンプ場を経営する人が捨てようとすると、「産廃」として処理する必要が出てきます。
【補足】
各自治体の指導により対応が異なる場合があります。とくに、一般廃棄物との混合物の処理については、グレーな部分が結構あります。また、再利用する場合は対応が異なります。
産廃は処理が面倒くさい
産廃は、例え小さな個人経営者が少量を出す場合においても、種類ごとに資格を持った業者と「運搬」と「処分」の契約を「それぞれ」交わさなければなりません。
また、「契約書」は絶対に交わす必要がありますし、「マニフェスト」と呼ばれる書類を、廃棄する度に作成し、運搬業者に渡す必要があります。
さらには、自治体に対し、年一回、どれだけの産廃をどの業者を使って処分したのか報告しなければなりません。
つまり、捨てる側の処理がとんでもなく「メンドクサイ」し、金がかかるのです😖
家のゴミとして捨てたら駄目なの?
じゃあ、仕事で出たゴミじゃなくて、家から出たゴミの扱いにして、自治体に持って帰ってもらえばいーじゃん?
ってなりますよね。
だってゴミに「これはキャンプ場経営で出たゴミです!」なんて書いてないんですから😓
でも、これは法律違反になる可能性があります。
確かに見分けは困難ですが、もし違法処理が見つかった場合(近所の人や同業者、産廃業者からの密告や、自治体が不審に思って調査することでバレます)、禁固刑まである罰則が用意されています😳
廃掃法は、かなーり厳しい罰則があるので有名な法律ですので、いい加減な処理は命取りなのです😖
(いわゆる「あわせ産廃」処理で自治体が許可している場合は適法です)
また、余談になりますが、例えばキャンプ場で引き取りしてもらえないからと言って、客がサービスエリア等でゴミ箱にキャンプのゴミを捨てるのも、「不法投棄」になる可能性があります。
ご注意下さい。
まとめ
キャンプ場でゴミを処理してくれない。これはある意味当然かもしれません。
だって小規模キャンプ場では「面倒で金がかかって全然割に合わない」のですから😖
また、今回は産廃の話のみをしましたが、生ゴミ等の事業系一般廃棄物も自治体がタダで持っていってくれないことも多いので、その場合は別でお金を払って処理することが必要です。
ゴミ処理費(200~500円程度)を取るキャンプ場もありますが、「高いなぁ」とは思わないで下さい。
ゴミ袋代とちょっとした手間賃だけでは無い可能性があります。
キャンプ場でゴミを引き取って頂ける場合は、あぁ、面倒だけどキャンパーのために処分してくれているんだなっと、感謝して捨てさせて頂きましょう😃