2023

もし世界へのあこがれそれのみが作品を支えているとして、それが消えてしまったら作品も力を失うのだろうか
その作者はもうそのあこがれを信じることができない
そんなときがきたとして
それ以前に作られた作品群は、その瞬間、作者のそういった心持の変化を受け入れて、一斉にその輝きをひそめるだろうか
奇怪な話だが
僕はそれはもしかするとあり得るかもしれないと思っている
僕はそれをあり得るかもしれないと思い続けたいのかもしれない
順当な話として
その作者がもうそのあこがれを信じることができなくなったとき
それでも過去の作品は変わらず輝きを放ち続けるのだとすると
どこにも問題など見当たらないようにすら思える
過去に作ったそれらはもう失われない
これから、作るものは、どうなのか
その作者がもうそのあこがれを信じることができなくなったとして
その先、作るものに、輝きが失われたとして
それはいったい何が問題なのか
もう、過去にはたくさんの輝きがあるのだ
作り続けられないことの何が問題なのか
いったいなにが
僕があり得るかもしれないと思っている話のひとつは
たとえそれが輝きに満ちていようとも
そうでなくとも
それらは一切、何も、現実的なものごとを解決しないということ
自分を支えたりなどしないということ
あこがれが作品を支えたとしても
作品が作者を支えることはないということ
支えになっているのは、ただひとつ
それが世界へのあこがれから作り出されたものであるという一点
もし
この先それを作ることができなくなったとして
過去に作ったそれらの輝きが自分にとっても失われないとして
あこがれは消えてしまったけど
あこがれから作り出した作品の記憶は残っているのだとして
それは何が問題なのか
それでも問題があるのだとするなら、きみは

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