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女心が盛りたいさかり

「ケーキうっま! やっぱあんた誘って良かったわ。店選びも安定だし」

「感謝しなさいよね!」

「私の為に暇でいてくれてありがとう」

「別にあんたの為に暇してたわけじゃないけどねー。てか、あたしが写真撮ってる間に食べ終わっちゃうんじゃないの?」

「私そういうのやらんから。その分しっかり味わうのよ。あんたと違ってね」

「だったら、もうちょっとペース落としてさー、あたしがしっかり味わえる時間残しておいてよね」

「しょうがないわねー。……あ、それ、そういえば新しいスマホでしょ? どうよ、使い心地」

「見てよこれ。じゃーん! 新しいやつで撮ったの」

「ほう? どれー。……ん? え、これあんたなの?」

「ふっふーん! どう? よく盛れてるでしょ!」

「ん? うーん。まあ、確かによく盛れてるけどさあ」

「何よ? こんなに自然な感じで盛れるようになったんだよ?」

「うん。それは認める。だけどさぁこれ、同じくらい自然に漏れてるんだよね」

「何が?」

「下心」

「なっ。そこはせめて女心って言ってよ! 否定はしないから」

「あっはは。乙女心って言わずに女心で妥協するあんたが好きよ」

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sori
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