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あの春の匂い

「あの人に置いてかれた私はさ、かの庭木みたいに、悲しみ枯れもせず、空を飛ぶ必要だって無いのに追い掛けもしなかった」

「その庭木、とても大切にされてたのね」

「私、大切にされてなかったのかな」

「あんたは大切にしてたの? その人が帰ってきちゃうくらいに」

「雷に打たれたような気分だわ」

いい暇つぶしになれていたなら光栄です☆