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黒猫権現の腹いせ

懐かしい匂いがした。酷く慌てたそいつは、事故で死んだあいつとは違う。
なのに、ふためく姿が重なって仕方ない。
そいつの急ぐ先の辻に迫る車。見えていないな。
俺は無性に苛ついた。
だからそいつの行く道を横切って、しばらくの道中を呪ってやった。

どうせあいつなら放っておかないだろうから。

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sori
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