影響力のある者や企業なんかが大衆に何かを伝えようと発信する時、サルにも分かるという表現が良く使用されるが猿に理解して貰うのは現実的でないなどと揚げ足を取られたくないので敢えて言い換えると、特別に勉強熱心でもない小学生にでも伝わるようにと苦心する事は受け手への配慮であると同時に、発信者にとってもメリットしか無い筈だ。
しかしながら昨今の政治家の発言やミスリードを誘う書き方をするメディア等を見ていると、そういった努力をしようとしないどころか、如何に言葉を濁すか、或いは注目される為には混乱を招く方がかえって都合が良いとしているようにさえ思えてならない。

SNSでは文字をろくに読まない、または読んでいてもその内容の本質を捉えようとしない人間が多い。勿論全ての人間がそうという訳ではなく大衆をバカにする訳でもないが、実際にそう感じ、その事を念頭に置いていれば図解で示したり語弊の無い言葉を慎重に選んだりするという事が当然のように出来てくるので、誤解を招く言い方をする方が悪い!などと言われる事は基本的に無いのである。テレビには出た事が無いのでSNSを例に挙げたが、考え方としては大差は無いように思う。(ただ大きく違うのは、意図しない部分を切り取られたり強調されたりするのが稀でないという事だろうか)

テレビを見ていると記者会見等での誰か発言についてその後何らかの番組に専門家や学者等を招いて分析して読み解く、みたいな流れが良く見受けられるけれども、これに違和感を感じる。
自身の読解力や理解力の無さを一旦認めようともせず「誤解させる伝え方をする方が悪い!」と声高に言う人間の事は正直言うと好きにはなれないが、間違った事を言っていないとしても第三者が改めて分析しないと伝わらないなんてのは可笑しい。何かを伝える為の記者会見なら、事前に発言内容を纏める作業くらいするであろうに。

こんな所で嘆いている時点で独り言には過ぎないが、誰に限らず、伝わらないのを受け手の所為にする事をせめて恥じて欲しい。

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