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自慢のパートナー、マリンバのこと


執筆者:野木 青依 | Aoi Nogi (@blueoi902)
桐朋学園大学音楽学部卒業。2018年8月オーストラリア・メルボルンにて開催された 「第5回全豪マリンバコンクール」第3位並びに新曲課題における最優秀演奏賞受賞。
自粛期間中に制作した、自身のマリンバ演奏・歌唱による2ndアルバム「踊りにおいで よ」を5月に配信リリース。その他、音楽を通して生活を祝福するインスタレーション 「Celebration at home」を写真家/工藤葵と発表。
モデルとしても活動。「URBAN SENTO」メインビジュアルモデル「HOUGA Short Movie」出演他。

マリンバ奏者の野木青依と申します。
小学校5年生でマリンバに出会い、6年生で「マリンバ奏者になる」と決め、かれこれ14年、マリンバと共に暮らしております。

マリンバとは

マリンバとは、アフリカ発祥の大きな鍵盤打楽器。木琴の一種です!

こちらは、小学校5年生の冬、祖父が購入してくれてからずっと一緒のMyマリンバ。
福井に工場がある鍵盤打楽器製造会社「こおろぎ」「パーフェクション」という最高にかっこいいシリーズです。
横幅は約2.7m、重さは121kg。大きな楽器!

サイズ感を把握していただくため、人に立ってもらいましょう。

……とにかく大きいんです。もうこれだけで、ね……かっこいいです。

名前の由来

「マリンバ」という名前は、アフリカの言葉で
「マ」=複数ある「リンバ」=木の棒
「沢山の木の棒が並んでいる楽器」という意味になります。

確かに、沢山の木の棒(ていうか、板ですね!)が並んでいます。ローズウッドという貴重な木を、カットして何年も乾燥させて、職人さんが手作業で削って調律をして……大変な時間と手がかかった、大切な鍵盤たちです。
音の配置はピアノと一緒で、上方の鍵盤が"黒い鍵盤"、下方の鍵盤が"白い鍵盤"です。

最大の魅力

私が思うマリンバの最大の魅力は、豊かな低音の響き

写真手前側が低音を鳴らす鍵盤です。鍵盤の下にぶら下がっている共鳴管がスカート型にどっしり大きくなっていますね。この共鳴管が、音を増幅させます。
木琴というと、コロコロと可愛らしい音が連想できると思います。それも良い!それも魅力!!なのですが、やっぱり迫力ある低音……お腹にズシーン……とくる重みのある低音……。この感動はマリンバならではです。

よくあるご質問

演奏後、お客様から必ずご質問があります。
「ど、どうやって運んできたんですか……」

マリンバは解体できます。

14パーツに分かれまして、それらを車に積んで運びます。毎度毎度2tトラックを操縦する訳ではございません……意外とプリウスにも収まりますので、ご安心ください(?)。

次に必ずあるご質問。
「部屋に、置いてあるんですか……?」

部屋に、置いてあります。

1部屋、まるまるマリンバで埋まっております。家にあるどの家具よりも大きいです。
もうこの部屋でレコーディングもしちゃっています。

音を聴いて……

長々とマリンバの説明をしてしまいました。とにかく、音を聴いていただかないと!
まずは、わたくし野木青依、最近の演奏映像です。(2020.8.9撮影)

素朴な木の音色……。深呼吸したくなります。
言い忘れましたが、片手にバチ(マレットと言います)を2本ずつ、計4本持って演奏することが多いです。

次は、自宅のマリンバ部屋での映像です。(2020.4.26公開)

自宅なので、ご近所さんに配慮して共鳴管を外しています。(いくらか音が小さくなります)。そのため、本来のまあるい柔らかい完成された音色ではありません。が、このアーモンドのようなヘルシーな音色もソーキュート! これはこれで大好きです。

最後に、ライブ映像を。(2019.11.22撮影)

約9分の即興演奏後に、J.S.Bach「無伴奏チェロ組曲第1番ト長調より"メヌエットⅠ,Ⅱ"」を演奏しています。
マリンバはクラシックや現代音楽、最近では星野源さんの楽曲に大々的に登場したり! 様々な音楽ジャンルで活躍できる楽器です。

マリンバを演奏する時

マリンバを演奏する時、私は社会と接していて、また、私自身と接しています。自分が持つ「影響力」と真摯に付き合おうとします。
(もちろん、この「影響力」は全人類、というか万物が持つものです!)

私が、私自身に望む"社会に対する態度"をもってマリンバを演奏し、空気が振動してマリンバの向こうのあなたに届く。その空気を吸ったあなたの吐く息、振る舞いでまた空気が振動して、その空気を吸った誰かが誰かの空気を……
そんな奇跡的な瞬間の存在、その連鎖の存在を信じているからこそ、まず私は、あなたに気持ちが良くて美味しい空気を送りたい。(天然水のような!)

こんなちっぽけな人間の、ちっぽけな願いだったり祈りだったりを、いつもマリンバが受け止めて大きな綺麗な声にしてくれます。
そんなマリンバの懐の深さに、ずっと救われてきました。

来世は私がマリンバになりたいくらい、感謝しています。

マリンバに会いに行こう

マリンバの音色・響きには、心をふわふわと解してくれるような、体を温かく包みこんでくれるような、そんな優しさと深さがあります。

私のYouTubeに、まだまだマリンバの映像・音源がございます。是非ご覧ください。
でも、やっぱり一番はマリンバを目の前に、生の音を聴いていただきたいです。少しでも気になった方は、どうかマリンバに会いにいらしてください。
マリンバの、大きな愛に包まれてください!

写真 工藤葵

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