WEBマガジン『soregashi』創刊のことば
2020年8月2日(日)、有志によるWEBマガジン『soregashi』を創刊します。
編集長のすなばから『soregashi』について、読者の皆様に紹介します。
WEBマガジン『soregashi』を創刊します。それがし、と読みます。
いま世の中には本当にたくさんのメディアがあって、TwitterやInstagramのアカウントも一つのメディアと定義するならば、それこそ海の砂の数ほど存在します。そんな中、また新しいメディアが誕生するわけです。作り手である私達は喜びでいっぱいですが、読み手としては「またか」という感じだと思います。
砂のひと粒としてここにささやかな生を享けた『soregashi』について、少し紹介させてください。
『soregashi』は偏愛を愛します
『soregashi』を一言で表すならば、「偏愛を愛するメディア」ということになります。
「偏愛」を辞書で引くと、次のような解説を得られます。
ある特定の人・物だけを愛すること。かたよった愛情。
※出典 三省堂大辞林 第三版
生きていれば、いくつかの愛する対象ができるものです。それは物であったり、人であったり、行為であったり、一節の文章やメロディ、あるいは孤独や寂しさであったりします。
私達は、自分の愛するものを愛しながら、同時に「世の中が愛するもの」「他の誰かが愛するもの」も常に感じながら生きています。時としてそれは「普通」「常識」という概念を借りて、私達の個人的な世界を圧します。
インターネットで開かれた世界は、隣人の隣人の隣人が何を愛しているかを見えるようにしました。その開けた世界に思いがけず救われることもあれば、他人と好きなものが一致しないことで不安や疎外感を覚えたり、過剰な共感とつながりを求めてしまったりすることもあります。
『soregashi』は、独りよがりで偏った愛を肯定します。何かを好きでいること、その愛情の尊さを『soregashi』は大切にします。それが世界でたった一人だけのものであっても。
誰かが何かを偏って愛すること。『soregashi』は、そんな"偏愛"に価値を見出すWEBマガジンです。
『soregashi』は人を見つけます
『soregashi』という名前は、編集部員が持ち寄った命名候補から選ばれて決まりました。由来は、古風な一人称であり、また「誰かわからない人物」を表す言葉「某(それがし)」です。
「某」はまた、「なにがし」という読みも持ちます。「なにがし」の意味はもっと広く、物や人も含めて「よくわからないが、あるもの」といったニュアンスで使われます。
『soregashi』は、"人と物"を一語で示すその名の通り、"偏愛"とは「何かを愛する誰か」と「誰かに愛される何か」の一対で成り立つものと考えています。
よって、『soregashi』の記事には常に、"偏愛"の持ち主である特定個人が登場します。「愛すること」はある人と何かとの一対一の関係であり、一般化を拒むものであることを、『soregashi』は重要視します。
『soregashi』は、誰かが傷つくことを目指しません
「愛すること」は常に一対一の関係である、と先ほど述べました。本来的にはそうです。しかし、誰かが何かを愛することで、別の誰かを傷つけることがあります。例は挙げるまでもなく、歴史の教科書にも、ネットニュースにも、おそらくはあなたと誰かとの往信の中にも見つけられるでしょう。
だからこそ、『soregashi』は誰も傷つかない"偏愛"を志向します。綺麗事と言ってしまえば、そうです。しかし、「愛すること」で誰も傷つかない世界を『soregashi』は夢物語として捉えません。人を傷つけることなく何かを愛する人を、『soregashi』は選択的に取り上げます。
現実として、本当に「誰も」傷つけずに何かを愛することは困難かもしれません。しかし、あくまで『soregashi』は、誰かを傷つけてしまうことを容認する態度を避け続けます。
『soregashi』のロゴについて
『soregashi』のロゴマークを紹介します。
「偏愛」だから少し斜めになった文字。最後の"i"の文字は、何かを愛する「私(=i)」が好きなものに撃ち抜かれる様子を表しています。
これ以上ないほど『soregashi』の精神を表したロゴです。デザイナーのYOさん(@YoinDesign)が作ってくれました。
最後に、スタッフ紹介
『soregashi』編集部
・編集長
すなば(@comebackmypoem)
・編集
inkyo(@inkyo_seikatsu)
キムラアヤ(@mutsuchiyo)
まる(@maru_simple)
・デザイン
YO(@YoinDesign)
・プロデューサー
ようへい(@sgt_yh)
『soregashi』最初の記事は、8月2日(日)に掲載予定です。
どうぞお楽しみに。
soregashi 編集長
すなば (@comebackmypoem)