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印刷発注業務を最適化! 上質紙とコート紙、徹底ガイド

印刷によく使われる紙に、上質紙とコート紙があります。それぞれの紙の特長を知っておくと、用途や目的に合わせてコスパよく、最適な印刷物をつくることができます。
この記事では、2031年に創業100年を迎える東京新富町の紙製品メーカー・山櫻が、印刷用紙としてよく使われる上質紙とコート紙の違いをまとめました。印刷物を発注するときにお役立てください。


上質紙とコート紙の違いは?

上質紙とコート紙はどちらも印刷によく使われる紙ですが、それぞれ特長があります。
ここから、「質感」「発色」「価格」について、それぞれの違いを解説します。

質感が違う

それぞれの紙は、表面の質感と光沢が違います。
上質紙は、表面にコーティングが施されていないため、サラサラとした質感で光沢がありません。
一方、コート紙は表面にコート剤が塗布されているため、ツルツルとした質感で光沢があります。

発色が違う

それぞれ、発色が違います。
上質紙はインクを吸収しやすいため、落ち着いた色合いになります。
コート紙はインクの発色が良く、上質紙に比べて鮮やかな仕上がりになります。

価格が違う

ふたつの紙は、価格が違います。
上質紙は、一般的にコート紙よりも安価です。

上質紙:光沢がない・落ち着いた色合い・コート紙に比べて安価
コート紙:光沢がある・あざやかな色合い・上質紙に比べて高価

上質紙とコート紙、それぞれの強みと弱みは?

上質紙とコート紙の違いを、今度は強みと弱みという角度から、深堀りします。

上質紙の強み

筆記性に優れている: 表面にコーティングがされていないため、鉛筆やボールペンで滑らかに文字を書くことができます。 アンケート用紙や申込用紙などに最適です。
価格が安い:コート紙と比べて安価に入手できます。 大量印刷に向いています。
自然な風合い: コーティングされていないため、パルプの風合いがそのまま出ており、優しい印象を与えます。 自然派なイメージの印刷物に最適です。
カラーバリエーションが豊富: 色上質と呼ばれる、約30色のカラーバリエーションがあります。 冊子の表紙に色上質を使うといった使いかたができます。
レーザープリンターに最適: インクが定着しやすく、滲みにくいという特徴があります。

上質紙を選ぶ際の注意点

発色が悪い: コート紙と比べると、色が沈みやすく、鮮やかさに欠けます。 写真やイラストを鮮やかに印刷したい場合は不向きです。
インクが滲みやすい: インクを吸収しやすいため、大量にインクを使う印刷には適していません。
質感に派手さがない: コート紙のような光沢やツルツルした質感がないため、高級感を求める印刷物には不向きです。

コート紙の強み

発色がよい:表面にコート剤が塗布されているため、インクの発色が良く、鮮やかでクリアな仕上がりになります。
光沢がある:表面に光沢があり、ツルツルとした滑らかな手触りで、高級感を演出できます。
耐水性が高い: コート剤により、水に強いため、水濡れに強い印刷物を作成できます。

コート紙を選ぶ際の注意点

筆記に向かない: 表面がツルツルしているため、鉛筆やボールペンで書き込みにくいという欠点があります。
価格が高い: 上質紙に比べて、価格が高い傾向にあります。
光が反射しやすい:光沢があるため、光が反射しやすく、文字が読みにくくなることがあります。
レーザープリンターに不向き:表面のコーティングが溶けてしまう可能性があります。

上質紙とコート紙の用途は?

これまで見てきたように、上質紙とコート紙は、それぞれ異なる特性があります。
基本的に、文字を書き込むことが多い印刷物は、上質紙がおすすめです。一方、写真やイラストを鮮やかに印刷したい場合は、コート紙がおすすめです。それぞれの用途を、もう少し詳しく解説します。

上質紙の用途

文字を書き込む印刷物に適した上質紙には、次のような用途があります。

テキスト中心の冊子(白黒/2色):上質紙は、文字が読みやすく、また、何度もページをめくる冊子などに適しています。白黒、または2色刷りであれば、発色についても問題ありません。コート紙に比べてコストが抑えられる点もメリットです。具体的な用途としては「論文集」「資料集」「マニュアル」などが挙げられます。
筆記する必要のある書類:上質紙は、筆記性があるため、「報告書」「計画書」「議案書」「アンケート用紙」などにも使われています。
名刺: シンプルながらも上品な風合いを持つため、名刺にもよく用いられます。
デザインペーパー: 折りやすく適度なコシがあるため、折り紙のように折り曲げる用途にも適しています。

コート紙の用途

写真やイラスト印刷に適したコート紙には、次のような用途があります。

写真集、カレンダー:インクの発色が良く、鮮やかでクリアな仕上がりになるため、写真集やカレンダーなどに最適です。
チラシ・フライヤー:新聞折込に入っているスーパーのフルカラーチラシやイベントで配布されるフライヤーは、ほとんどがコート紙です。
カタログ、パンフレット:写真やイラストを美しく印刷することができるため、商品カタログや会社案内などのパンフレットにも適しています。
パッケージ: コート紙は、耐水性が高いため、水濡れに強いパッケージにも使用されます。
ポストカード、シール、カード:アート紙よりも塗工量を抑えたコート紙は、高級感のあるツヤが特徴で、ポストカード、シール、カードなどにも使用されます。

「上質紙とコート紙の違い、徹底ガイド」まとめ

◉上質紙を選ぶメリット
・筆記性に優れている
・価格が安い
・自然な風合
・カラーバリエーションが豊富
・レーザープリンターに最適
◉コート紙を選ぶメリット
・発色がよい
・光沢がある
・耐水性が高い
◉上質紙の用途
テキスト中心の冊子(モノクロ/2色)、マニュアル、アンケート用紙、名刺
◉コート紙の用途
写真集、カレンダー、チラシ、カタログ、パンフレット(フルカラー)

SOREALでは、上質紙や、カラーの上質紙をメインに、さまざまな紙製品を取り扱っております。詳しくはこちらまで。