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私がアロマセラピーを教えなくなった理由

こんにちはアロマアナリストの藤原綾子です。

私はアロマセラピーの可能性を感じて、アロマセラピーが広がることで助かる人がたくさんいる、と信じて
アロマセラピーで開業しました。

アロマセラピーに対する信頼は、今でも絶大です。
香りが私たちにもたらす効果は、目に見えるものから目に見えないものまで幅広いし、奥深いです。

そして、その効果(敢えて効果という言葉を使います)を実感するたびに、アロマセラピーは私の想像以上に誰かの役に立つのではないか、とさまざまな側面を見てみたいと、探究心を掻き立てられます。

多くの人に、アロマセラピーを知ってもらいたい、精油の香りを嗅いでもらいたい、自分の力に気づいてもらいたい。
そう思っています。
だから、アロマセラピーに触れる機会をどうすれば作れるか?と、考えて

最初に始めたことが「アロマセラピーレッスン」でした。

開業と同時に取得したNARDインストラクターの資格から、NARDアロマアドバイザーコースを開講していましたが、2006年当時はまだまだNARDもマイナー協会だったし、「精油の化学」という言葉自体、誰も興味を持たなかった時代です。

そこで、その手前の「精油の役立て方」として、精油やハーブウォーターを使ったスキンケアコスメの作成レッスンを始めました。
これが下北沢新聞に掲載され、定員6名のレッスンが毎回倍以上の応募があり、サロンでちょこっと開いていた講座だったのですが、教室を別で借りることになったくらいの大盛況ぶりでした。
そこからアロマアアドバイザーコースまで受講してくださる方も、たくさんいらっしゃいました。

NARDのアロマアドバイザーコースは、とても良い教材です。今でもアロマセラピーを勉強したい人には、1番にお勧めしたい講座です。
ですが、私にとってこの内容をこの時間内に収めることがとても苦痛でした。
教えるだけならそれでいいかもしれない。

だけど、アロマセラピーって覚えるものではないし、習ったことを右から左に流したらできるものではないんです。
一番大事なことは

「考える」ことです。

なぜなら、原則として「自分が自分に使うこと」だからです。

自分の着る服や、自分の食べ物、あるいは自分の生き方を誰かに言われた通り、何かのマニュアル通り、覚えた通りに実行する人っていますか?
「今日は寒いのですが、ニットを着ても良いですか?」って、誰かに聞いてから着ますか?
「今日はお腹が空いたので、たくさん食べても大丈夫ですか?」って、誰かに聞いてから食べますか?
違和感がありますよね?

ですが、アロマセラピーを教えると、こういう質問がくるんです。
「風邪っぽいのですが、ユーカリ・ラディアタとラヴィンツァラを同時に使って良いですか?」とか
「グレープフルーツ精油を寝る前に使っても大丈夫ですか?」とか・・・

は?使うのは自分ですよね?
なんで私が答えるんですか?

って思います。そう思うので、そう返信しています。
「自分で考えてください」って。
だから私はとても不親切で、怖くて難しい先生だと思われていると思います。

こう言ったことを自分で判断できるようになるために、アロマセラピーのレッスンを続けてきたんです。
そしてそれは、精油の使い方だけではなく、このような思考、考え方を身につけることで、あらゆることを「自分ごと」として捉え、自分の意見を持ち、自分の考えで行動と選択ができる人になることを伝えたくて、アロマセラピーを教えてきていました。
そのつもりでした。

でも、やはりそれは簡単なことではなくて、アロマセラピーを習いにきた人は、精油の使い方と精油の役割を覚えることに重点があるし、考え方や思考の経路を教える時間はカリキュラムの時間内では取れなかった。
それをするには、一般的なアロマセラピーのレッスンは「量が多すぎる」

いつも言っていることだけど、アロマセラピーを学びたい、習得したいと思うならラベンダー1本で良いから、とことん学び尽くして、使い尽くして、ラベンダーがあればどんなことにも対応できる。くらいの自信を持つことで十分。
この視点さえあれば、新しい精油だって10分で自分のものにできるはずです。

精油を薬のように考えないで欲しいし
アロマセラピーをただの気分転換レベルで考えていると
お客様はそれ以上の何かを受け取っていることに気づけません。
逆に危険性にも気づけません。

私は、アロマセラピーを通して精油の化学や精油の科学を教えたいわけではなくて、精油の多様性やアロマセラピーの自在性を通して、自然界の人類の”私”という存在の価値を感じ取って欲しいのだ、と気づきました。

皆さんが知りたいアロマセラピーを、私は教えられない。
だから私は現在アロマセラピーを教えていません。

アロマセラピーのレッスンは、通信講座を含めて山のようにあります。暗記とレシピを学ぶならそれで十分でしょう。十分過ぎます。
そこで学んで、学んだからこそ生まれるアロマセラピーって何?何ができるの?という、疑問を持った時
ブレイクスルーがやってくると感じています。

そう、アロマセラピーで何ができるのか?を期待することが、違うのかもしれない。と気づいた時。
主体は精油から人間に移っています。
そこで初めて「自分が自分に使うもの」なんだ。とわかります。
それがわかれば、アロマセラピーが何であるかは、半分わかったようなものです。

そこからは、どこに進めるかはあなた次第です。
私は心の世界に進めました。私の心に精油をどう使うか?を極めたいと思った。
だからアロマアナリーゼと気香療法になった。
アロマアナリーゼの養成講座を受けた人もわかると思うし、気香療法講座を受けた人もわかると思うけど
どちらも「正解」を教えません。
考え方しか教えません。
アロマセラピーは本来、答えは人の数だけあるし、精油の数だけある。
ティーチングではなくコーチングだと思っています。

だから私はアロマセラピーを教えません。一緒にアロマセラピーや人のことを考えられるようになる人を育てたい。と思っています。

現在私が教えている講座はこれだけ

◆気香療法講座

https://www.vertmer.com/aroma_school/lesson_kiko.html


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精油の翻訳家 アロマアナリスト藤原綾子
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