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脳内変換される「気」と超臨界流体

精油の蒸留法には、水蒸気蒸留法、圧搾法、溶剤抽出法とあって、最近よく聞くようになった超臨界流体抽出法というのがあります。

超臨界ってなんだろう?って思いませんか?

臨界を超えるってことです。
臨界というのは、物質の状態が違うものになろうとしているギリギリの状態のところを指します。
それを超えるわけだから、違う状態になろうとしているのですが、
例えば、水が0℃以下なら固体になり、0度以上で液体になり、100℃を超えると気体になるというのは、超臨界ではなく、水の「三態」とか言いますよね。
これは、気圧などの環境が同じ場合の変化。

超臨界とは、物質に気圧と熱を加えることで、液体でも気体でもない(もちろん固体でもない)物質にしようとすること!!

そんな不思議な物体で精油を採ろうと考える人がいたんですよね〜〜。面白い。

二酸化炭素はご存知の通り気体です。
そこに圧力と熱を加えて流体にします。流体!・・・流体!?

流体って何?

文字通り、力を加えると形が変わったり動いたりするものです。それは液体の場合もあるし、気体の場合もある。

二酸化炭素を流体にする。と敢えていうわけなので、気体でも液体でもないものなのでしょう。
この流体は、形を変えてどこにも入り込みます。そして物質を溶かす特性があります。

なので、精油を採りにくい植物(堅いもの、小さいものなど)にこの流体を当てることで、細胞に入り込んで、精油成分を溶かし出してくれるというわけです。

もちろん、手間もかかるので、超臨界流体抽出法の精油は高いです。でも、水蒸気蒸留のような熱も加わらないし、溶剤による薬品汚染もない分、ピュアでそのままの精油成分を手に入れることができると考えられています。

と、ここまで超臨界流体抽出法の説明をしていますが、実は今日私が書きたこととは、そこじゃないんです。

超臨界という発想が「気功」的だと思ったということなんです。

気功では、私たちは全て「気」というエネルギーでできていると考えられています。

空気・・・空(そら)の気、空(から)の気?
陽気・・・明るい気
生気・・・生きる気
という、概念のような抽象的なものはもちろんですが、
例えば、オーラと言ったりする、その人が持つ独特の雰囲気(・・・まとう気)が、その人らしさやその人のエネルギーの力を表します。

そして、ここからが超臨界なんですが、
その気をぎゅっと凝縮して(圧力や熱を加えて・・・ではありませんが)形を変えたものが肉体(筋肉)、
そしてさらにその気を凝縮したものが骨、というように

同じ気でも、圧力というか気合(?)を加えることで、物質の性質が変わって違うものとして成立すると考えます。

ですから、気を調える。と言った時には、雰囲気や空気をクリアにするのではなくて、身体の中の肉体も骨も、もちろんそこに流れる気も調うことになります。

私は、超臨界流体抽出法の話を聞くたびに、私たちの身体にスルッと入り込む気を想像し、そして各器官(臓器など)に溶け出して気を調えている様子とリンクしています。

二酸化炭素という気体が、液体と気体の間のようなものに姿を変えるのも
見えない気が、肉体や骨のような形に変えると考えられていることも(もちろん医学的にそんなことはあり得ません)どことなく似ていると感じています。

気は、もしかしたら超臨界流体なのかもしれませんね^^
とか言ったら、いろんな識者に怒られそうですが、そんなふうに想像することで、精油の理解も深まるし、気の理解も深まるので、私の脳内ではそんな変換が行われているのです。



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精油の翻訳家 藤原綾子
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