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遠い日の記憶
2022・1月追記:こちらのカケラから新作ができました。
詳しくはこちらから
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今日は連番!shortshortの日です。
きてしまったー。かけるのか・・私。
(それ毎回言っている気がしますが・・)
本当は防災の日なので防災関連の話を書きたかったのですがそれはまた明日にでもして、決められた通り連番shortshortを書きたいと思います。
一つ一つ読み切りですが設定などは続いているのでよかったら過去のものも
遠い日の記憶
私は記憶の彼方にいた。
昔ながらの畳の香りがする。
あれ、私はどこにいるんだろう。
目を開けるとそこは幼い頃に育ったおばあちゃんの家だった。
そうか、ここはおばあちゃんの家だ。
台所からは美味しい匂いがした。
私が駆け寄るとおばあちゃんが台所で鍋から何かを出している。
「おばあちゃん、何作ってるの?」
「これ?じゃがいものがね、送られてきたから蒸したんだよ、食べるかい?」
「うん!!」
おばあちゃんは私用の小さいお皿に大きなじゃがいものをのせた。
黄色い綺麗な色が十字の切れ目から見える。
食べたいとはいったものの、熱くてうまく皮が剥けそうにない。幼い私は熱々のゆげが上がるじゃがいもを指先で突きながら冷めるのを待っていた。
「これは<おお>おじちゃんが作ったの?」
「うん、そうよ。おばあちゃんのお兄さんが作ったのよ」
「すごいねえ」
思わずため息が出る。
「葵はじゃがいも好き?」
「うん!太陽の味がするの!」
私がそういうと祖母は目を丸くして
「太陽見たことないのに?」と私の顔を覗き込んだ。
「うん、でも絵本の太陽は温かいいい香りがすると思うの」
「・・そう」祖母は目を細めて私の頭を撫で
「じゃがいもと一緒に葵にお兄ちゃんが送ってきてくれたものがあるんだよ。渡すのをおばあちゃんは迷ってたんだけど、やっぱり渡そうね」
と言いながら隣の部屋へ行った。
「なに?なに?」
私も祖母の跡を追いかける。
隣の部屋の入り口から中を眺めていると祖母はなにやら大きな木の箱を持ってきた。
「開けてご覧?」
そう言われて祖母と一緒にその木の箱を開けると、中には私より少し小さいくらいの人形が入っていた。
「お人形さん?」
祖母は微笑んで首を振る。
「ちょっと待ってね」
祖母が人形の着ていた服を脱がし何かをいじるとその人形からウィーンと音がして、人形の手が私の手を握った。
「動いた!」
「そう、お友達ロボットよ」
「お友達?」
「おばあちゃんのお母さんがね、小さい頃に、もらったものよ」
「誰から?」
「おばあちゃんのお母さんの、お父さん。おばあちゃんのおじいちゃんからもらったの」
「おばあちゃんのおじいちゃん・・・<おお><おお>じいちゃん?」
「ふふ・・そうね」
「おばあちゃんのお友達ではないの?」
「おばあちゃんは少しお友達だったことはあるんだけどおばあちゃんのお母さんの方が長いことお友達だったわね」
「なんで葵にくれるの?」
「なんでかしらね。<大><大>じいちゃんがきっと葵に持ってて欲しいのでしょう」
「わーい、やった〜!」
私はその人形を抱きしめた。
すると人形が話し始めた。
「私はクウ。アナタのオナマエハ?」
「あおいだよ!」
「アオイ。よろしくね」
私はクウを抱きしめたまま祖母に尋ねた。
「<大><大>じいちゃんに会えることはある?」
「うーんどうかしらねえ」
「私、お礼言いたい!」
「もし、会えることがあったらいってあげてね。きっと喜ぶわ」
そこで目が覚めた。
隣ではクウがスリープモードになって休んでいる。
遠い記憶。
クウはナルに暮らしていた大大おじいちゃんが私にくれたものだ。
そのナルの大大じいちゃんから届けられたクウと私は今、ナルの秘密に近づこうとしている。
私はこの時自分が置かれている立ち位置にまだ気がつかづにいた。
このnoteの基本方針出来立てホヤホヤ
少しずつ形ができてきているーーーー
って私にも見えてなかった形。
毎回記載していますが私は、このnoteの基本方針として、直したものを他で出す事はあれど、このnoteの文章は基本的に直さずに進め、さらに、その日に書いたものを出すということにしています。
というわけで
連番shortshortも今考えて書いたもの、出来立てホヤホヤ
です。
なので私にもはっきりとは見えてないんですよね、毎回書き終わるまでは。
ただ設定やシーンはずっと考えたりしていたものですが。
そろそろ真剣に細かく書いていこうかなというくらい見えてきましたが、私は。
そんなわけでもやっとすることも毎度毎度読んでていーっぱいあるかと思いますがでも少しずつ何かがつながっている気がしません?
え?しない?
きっともう少しで形になっていくはず。
ぜひ、前もこれからも読んでいただけると嬉しいです。
ぜひ感想なぞも・・。
ーーー本を出版しました!!ーーーー
こちらは完結しています。
インドに仕事でいった日本人である主人公が奮闘する話です。
普通の会社員の主人公が、ビジネスでインドに滞在し犬を拾ったことをきっかけに、インドの日常に横たわる人々の深層意識やカスタムに触れていきます。
多様性とは生きるとはなんなのか。
NewsPicksでも紹介されました。
なんと、るろうに剣心の大友監督と、ドラゴン桜の編集などもされている佐渡島さんからも書評をいただきました。
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